毎日新聞の1面にePub縦書き対応のニュースが掲載される時代w
電子書籍関係のネタをチェックしている方々であれば当然昨日の毎日新聞のePubフォーマットの日本語対応へのニュースはご覧になったかと思いますが、あれが1面にでかでかと載っていたのはご覧になったでしょうか?
タイミングとして年末の休暇に入ったタイミングで大きなニュースが無かったということもあるかと思いますが、こういう題材が3大新聞の1面に掲載されるという事は一般の方々にも電子書籍というモノの存在を知っていただくには大変影響が大きいのではと思われ、大変嬉しいニュースだと受け止めました。
電子書籍元年ということで自分自身もいろいろと制作・提案などの両面で沢山の時間をそこに振り向けた1年ではありましたが、様々なメディアで電子書籍や各種デバイスに関する記事などが華々しく取り上げられたりはしておりましたが、実際にビジネスとして成立する規模の電子書籍の読者がどこに居るのか?という現実を前にしてまだ苦労が絶えない日々であることも事実です。
昨日の毎日の記事では
米アップルの「iPad」が採用するなど事実上の世界標準となっているが、日本語などの縦書きを想定しておらず、国内では普及していなかった。日本語対応したイーパブを国内の出版社や電子書籍端末のメーカーが採用すれば、開発にかかる時間や費用を大幅に抑えられ、電子書籍のさらなる普及に道を開くことになる。
↑このような紹介の仕方をしていますが、実際の書店や取次ぎビジネスをしているところであったり出版社によっても電子化に反対を表明しているところもある状況において、電子書籍のさらなる普及に道を開くかどうかは予断を許さない状況だと自分は考えています。
ただ縦書き対応はそういう意味では無関係ですが、来年5月のePub3.0へのアップデートがこういった形で大手メディアで紹介され、その存在をより多くの人たちに知っていただく事で電子書籍のさらなる普及に道を開く可能性はあるでしょう。
宝島社の「電子書籍の正体」に、新聞の書籍広告欄には書籍以外のものを載せてはいけないという内規がある…という話しが紹介されていて、サイン会は付随するものとしてOKなんだけど、そこに電子書籍についての掲載が拒否され、パブリシティの面でもまだまだ課題山積という指摘がなされていたのですけど、少なくとも今回の毎日のこのePubの取り上げ方を見ていると、やはり時間は必要だけれども世界は確実に変化している…というのを実感した次第。
インターネットが普及していく過程においても、ネットの接続のサービス移行で他社への嫌がらせのような事があったりしたような記憶があるのですけど、電子書籍という存在自体がもう少し社会に浸透するには時間が必要でしょうし、そこでePubが認められるまで、まだまだ時間が掛かるのは仕方ないところですが、オープンなフォーマットであるePubが広まることは、低コストで個人であってもそこに参入可能になる事がやはり一番大きな変革ではないかと思うのです。
インターネットが一般的なところに浸透して10年位でしょうか?現在ではそれが無い生活は全然考えられない程ですが、そこからもう少し前の64kのモデムとかでネットに接続していた時代にホームページ開設を新聞社やメディアに持ちかけた際に、そんなところに載せた情報を誰が信じるのだ?というような指摘を何回もされた記憶があります。
電子書籍についてこれまで何回か流行の兆しがありつつ消えて行った…という事もありますが、デバイスを売りたいメーカー、データ通信で稼ぎたいキャリア、いつでもどこでも多くの情報に触れたいと思っている読者、そしてそこを繋げるコンテンツを生み出す出版機能を既存のプレーヤーだけでなく、自分のような異業種参入組みがどう面白いものを投入していけるか、来年5月のePub3.0については縦書き対応だけでなく、横書きにおいての表現能力においてもいろいろな機能強化が図られるはずですから、現在実案件をもって蓄積しているノウハウをうまく活用しながら、新機能をうまく取り入れたePub版電子書籍の制作に来年もまたトライしていきたいと思います。
そんなこんなで制作をお手伝いさせていただいているJazzJapan誌のほうも早いもので、の2011年1月号がリリースされました。実売ePub雑誌として日本で最初もしくは非常に早い時期に取り組んだ雑誌だと思います。今月号も紙面に掲載できなかった情報や映像を収め電子版ならではの構成を実現しておりますので、是非iPadやiPhoneでご覧いただければと思います。(GALAXY TABでは残念ながら映像はご覧いただけませんが、本文は当然ご覧いただけ、FLASH対応している強みを活かし、アマゾンでの音源試聴が体験いただける作りになっています)