O'Reilly、自社サイトで販売する書籍の9割弱が電子書籍となりePub形式が大幅な伸び
思えば「O'Reillyの電子書籍流通への取り組みが色々参考になる件」というエントリを書いたのが昨年7月、このエントリへ目に見えた反応は少なかったのだけれど、谷川さんと今動いているeBookProのほうでいろいろとプレゼンとか解説・説明する場合にこの事例は今でもかなり役に立っている事例。
このO'Reillyの取り組みについて「O'ReillyのWebサイトでの販売自体成功しているのか?という鋭いご指摘をいただいた事もあるのですけれど、2010年に自社サイトで販売した書籍の9割弱が電子書籍になっているというのは大変注目すべきニュースだと言えるのではないでしょうか?
このエントリを書いた2010年7月、実はアマゾンがダウンロード販売している電子書籍の過去3カ月間の販売数が初めてハードカバーの単行本の通信販売を上回ったと発表した時期でもあったりします。
ここから半年が経過してO'Reillyというある意味出版内容に特徴のある出版社のビジネス状況がこのような変化をしたという事をやはり日本で現在出版事業に取り組んでいる方々、もしくはこれから電子書籍ビジネスに取り組もうという方には是非知っていただきたいと思い今日はエントリを急遽アップした次第。
そしてePub3.0についてもIDPFによる公開ドラフトがリリースされるなど、こちらについても先日当ブログでもちょっとした実験結果を紹介した縦書き対応などこれまでのePubでは弱点とされていた所に対して、レイアウトやリッチメディアへの対応などHTML5とCSSなどを利用しながらデジタル出版物として扱うことが出来るようになるのも目前となっています。
先ほどちらっと見ていただいた縦書き対応の実験の他、我々eBookProとしてもまだ公開は出来ませんが、いろいろと実験的な取り組みを現在おこなっており、この紹介ももう少しすると具体的に紹介できる事になると思います。
奥歯にモノが挟まったような言い回しになってしまい恐縮ですが、今日言いたい事は、これまで「ePubなんてレイアウトとか弱いからダメだよね」「DRM付かないなんて話にならん」と言っていた人たちが、アマゾンなりO'Reillyの結果を見つつ、このePub3.0のリリースでもっと加速度的に少なくとも欧米圏(英語圏?)における電子書籍ビジネスの可能性にやっと気が付いて、COOL JAPANを輸出せねば…とか慌てて参入しようとする人たちの姿が目に浮かぶようだ…と
とある日本の事例では、まだePubよりもPDFのほうがダウンロード数が多いという事例も聞いたりしていますが、この辺の潮目がどこで変わってくるのか…と考えるとやはり今年の5月が一つの大きな山になりそうだと言えるのではないでしょうか?
う~~む、自己完結してしまうけど、こういう盛り上がりホント実現して欲しいと期待しちゃうよな~w