「Webkit」の日本語組版を自分のブログに適用して縦書きePubの実現の時を夢想してみた
私のブログをご覧いただいている方にePubの解説は不要かと思いますが、これが縦書きに対応したら本当に電子書籍元年に苦労していきた事の多くが解決され、より多くの商談が進み、書籍もバンバン売れる!という世界が待っているか…というとコレは残念ながら違うと思っています。
何というのか、例えばこんな記事があり
こういった素晴らしい取り組みもある中で、例えば弊社でも博物館の展示物の図録の電子化のご相談などをいただいた経験があり、前向きに進む商談もあれば、ご縁が無かった…というモノも当然出てくる訳です。
電子書籍というかアプリとして流通しているコンテンツがビジネスとして成功を収める要因としては、そのコンテンツがリアル社会でも成功したコンテンツ、著者が有名・実績がある…という側面がある事を感じている方多いと思いますが、ここにはもう腐るほど言われていることですが、閲覧フォーマットというよりも「コンテンツを提供する決断と必要な投資判断を権利者の方がしてくれるか」のほうが重要な話しになってきます。
個別アプリとしての開発コスト負担は無い…、Appleに検閲されたくない、販売手数料を負担しなくない…というないないずくしであってもePubとPaypalのマイクロペイメントを組み合わせると可能性見えてきたりしますので、
こういった観点からも先日のiBooksのアップデートでiPadやiPhoneで受信したメールに記載したURLや、ブラウザで表示したリンクをクリックしてiBooksでePubの電子書籍を開く事が出来るようになったのは利便性の点で画期的な進歩であった訳ですが、
コンテンツの保有者の方が「iBooksで縦書き」という事をお考えですと現状無理があった訳ですが、これについてももう少し時間的な猶予をいただくと解決できる具体的な目処が立ち始めているようです。
ITmedia eBook USERで西尾さんが
こちらの記事を書かれていらっしゃいます。こちらの記事で紹介されているWebKitにおけるCSSによる日本語組版の実装を検証する目的でサンプルファイル、スタイルシートで縦書きを実装していて、サポートしている環境であればこのように自身のマシンで縦書き体験可能になっています。
記事のほうでサンプルファイルについての解説図ありますが、1点付け加えさせていただくと、老眼モードになってきている40代にはどうにも読みにくいというフォントサイズが増えてきているのが悲しい限り(苦笑)、ただこういう場合もフォントサイズの拡大を行ってもちゃんとリフローしてくれるのでこれはホントに嬉しいw
それとhtml触れる方なら、当然ながら中のソースを書き換えるとこんな感じで自前のコンテンツで表示テストも可能。
今日のエントリの冒頭部分をこちらのhtmlにはめ込んでみるとこんな感じになりますw
ご覧のように、<ruby><rb>縦書</rb><rt>たてがき</rt></ruby>のタグを使うことで「ルビ」もちゃんとつけられます。
こうやって「EPUB日本語拡張仕様策定」を進めてくださっている方々に感謝するとともに、現在足りないと指摘されている技術要件を満たしていくのは時間の問題であり、スマートフォンが日本で現在のような成功を収めるまでの様々な反応を見ていると、ePubというフォーマットの普及も、どこかのタイミングで大きく潮目は変わるでしょう。
それが縦書き対応なのか、DRM付きでiBooksで販売できるようになるタイミングか、はたまたこれとはまったく別の要因なのかは現時点ではわかりませんが…