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調査報告書「2ページで155万円」は本当に非常識なのか?

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大手マスコミが権力批判をするときや、議員が事業予算の無駄を指摘する際によく紙面に出てくるのは、この仕事に多額の報酬!税金の無駄使い!!みたいな見出しが躍りますよね。

蓮舫議員の場合、環境省が大手広告代理店「博報堂」に支払う日当(1日7時間)が最大で1人当たり7万 6300円ってのに高額だって噛みついたり、つい最近ですと市民オンブズマンが「実質2ページの報告書に155万円で契約するのは非常識」として委託費の返還か賠償を求める住民監査請求を近く行う方針というニュースを見かけました。

ちなみに昨年こんなエントリをわたしは書いているのですが、

モノを作って対価をいただく事で生きている立場としては、2ページの報告書に155万円の仕事だってあり得ると考えます。

例えばこれを浮気の調査だったとして考えてみましょう。

結論として欲しいのは浮気をしていたか、いないかの結論であり、それを裏付けすることが出来る証拠が2ページ150万の報告書に記載されていれば、基本的に依頼者のオーダーを満たしている事になりますよね…

その依頼者にとってその情報に150万以上の価値があれば(離婚請求で億単位の慰謝料が手に入るアテがあるとか)、この請求金額は安いでしょうし、赤の他人からすればこの情報はまず価値を持たないものですから、この150万は非常に高額と思うはず。

報告された書類は2枚でも、そこに使った人件費がそれに相当するのかどうか…という点についてこういう新聞報道などで調査されているケースが少なく、問題の当事者片方の発表をベースにして報道しているケースが多いのも問題だと感じます。

そして、20日稼働、月額160万を会社が受け取ったとして、会社側が人件費と会社経費、収益として分配することを考え、ざっくり分配率を3分の1として考えみた場合はどうでしょうか?

月額53万で、経済波及効果について調査と報告が出来る人材を雇う給料として、非常識に高額な給料か?というとこれも違うのではないでしょうか…

さらに、クリエイティブ系の仕事という観点から見ても、その成果物が小さいとか、簡単だから、その見積金額は不当だとか、納得がいかない…とお叱り、クレームをいただくケースは良くあります、まあこの辺の話は結果が物理的モノとして納品されないIT系の案件でも良くあるケースですね(苦笑)

簡単な仕事なんだから安くて当然でしょ!

一見妥当な主張ですが、仕事の依頼は「難しい」仕事も存在するわけで、その「簡単な仕事」も「難しい仕事」も出来るように、職人・技術者・クリエーターは日々勉強と努力という投資をしている事についての視点が抜け落ちていると、制作して食べていく側としては反論する事となる訳です。

今日取り上げた大分の件が問題無しという事ではなく、お目付役としてのオンブズマン側と取り上げる報道側がもう少し多面的に報道してくれることで、その事業が税金の無駄使いなのかどうかを適切に判断する材料になると思うので、その点についてちょっと残念な訳です。

まあ、火のない所に煙は立たず…という諺がある事を思い出しつつ、その反面で、つい最近も障害者郵便割引不正問題で元局長が無罪確定した件では、お決まりのパターンで報道各社のそれまでの報道姿勢は問題あったのではないか?という検証記事が多数掲載された事を考えながら、今回の記事には相変わらずな印象を持たずには居られないのでした。

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