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既得権者はウハウハでも、「本人」はカバー曲でのヒットでは儲かり方がスケールダウンの悲哀

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世の中名曲と言われるものが沢山あります。コード進行とメロディの組み合わせで様々な楽曲がそれこそ毎年、毎年、生まれては消えていく訳で、先日自宅近所のTSUTAYAに立ち寄ると、そこには70年代、80年代のヒット曲のカバーアルバムが沢山並んでいて、新曲をリリースするよりも聞き覚えのある曲を出したほうがセールスに繋がるのかな?と勝手に想像していました。

自分がお世話になった大先輩方は、敗戦後の米軍キャンプでの演奏などさまざまな現場を積み重ね、その当時普通に働いたときとは比較にならないような高給をもらっていた方もいらっしゃいまして、それは羨ましいミュージシャン生活を満喫された方々も多く、

当然、売れた人、売れなかった人で天地の差があるのですけど、この他にも最近は昭和40年代に活躍したような方々が裏話のストーリーとしてすさまじい月給の金額を暴露したりしているときもあったりして、夕刊紙の「あの人は今」みたいな企画でも、作詞・作曲、歌唱印税が今でも振り込まれるので、助かってます…的なコメント見たことある方も多いのでは?と思います。

音楽芸能関連から、アニメ方面に話題を移してみますと、国立メディア芸術総合センター(仮称)については、賛否両論いろいろな意見が交錯していると思うのですが、少し前の記事ですがこんな指摘がされてます。

運営を民間委託し、入場料など自己収入で基本経費をまかなうとする国の方針は「到底不可能」などと懸念する意見が続出。高塩至(いたる)文化庁次長は「人材育成や大規模展示、調査研究などにかかる費用は、文化庁として11年度以降、予算を獲得していきたい」とし、今回の補正予算とは別に、継続的に国費を投入する考えを明らかにした。

記事の前半には、こんな記載もありますね、

準備委は漫画家の里中満智子氏ら各分野の14人で構成。作品を集めて残す「アーカイブ機能」を重視すべきだとの意見が多く、人材育成につながる事業の重要性も強調された。

ここでアーカイブ機能って話が出てくるのですけど、

5月29日の日刊ゲンダイにこんな記事が掲載されています。

  • 建設費117億円じゃ済まない!国民にツケ回される巨額「版権使用料」

この記事では、杉並にある「杉並アニメーションミュージアム」の運営費はおよそ4000万円で、ここには人件費のほか、作品を展示するための「版権使用料」が含まれており、その個別金額は明かせないが、制作会社などへの支払いに充てられているとのこと。

ゲンダイのほうはこの「版権使用料」が国立メディア芸術総合センター(仮称)の場合には毎年億単位の支払いにあんるだろうという業界関係者の言葉を紹介しています。

この「版権使用料」は制作会社への支払いとありますが、これは当然作家さんも含まれるでしょうから、前述の「アーカイブ機能」を重視することでこれら使用料がかさんでいくのは当然の成り行きかと思います。

そもそもアーティストと呼ばれる職種だったり、その近辺の制作現場では非常に安い賃金だったり、修行ということで収入がないのが当たり前な世界だとわたしは自分の経験から考えておりまして、一時的にしろ劣悪な環境をもろともしないとか、そういう事はあまり気にしなくて良い人しか、逆に生き残れない世界のような気がしています。

ただし、これを国策として他国にコンテンツをどんどん売って儲けるという施策をやっていくんだという事であれば労働環境の整備をしないと、アニメが好きだから…お金は2の次って人だけをあてにしている訳にはいかなくて、そこには雇用環境の安定化などへの資金を回さないといけないはずなのですけど、前述のように有名作品の「版権使用料」は発生して国費から支払いはするけれど、結局現場には回らないって堂々巡りが起きてアニメ産業の活性化についてはこれまた別な方策が必要になりますよね。

冒頭にカバーアルバムが沢山並んでいたって話をしましたけど、作詞・作曲の印税は当然作者に支払われ、歌だけのアーティストは歌唱分しか収入に繋がりませんから、こういったカバー曲でのヒットは儲かり方がスケールダウンしている訳で、

ここでまたしつこく「ネオ・ラッダイト」の話をさせていただくと、アーティストやクリエイターと呼ばれる人たちの分野においても、有名作品による著作権で潤うのはオールドエコノミー型社会で成功した先人達で、ヒット作に運良く巡り会ったとしても、自分たちにとっては一時的な勝利にしかものにすぎず、勝ち続けるために働き続けねばならない形になってしまうのはなんとも厳しい社会だな…と感じつつ、

モノを作ることが生き甲斐感じる人たちの生き方として、どういう方策があるのかを模索する必要あるよな…と感じる近頃でした。

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