わたしのお気に入りライナーノーツ
「【再掲】CDにはやはり値打ちがある?」ではライナーノーツが私にとってかなり重要な存在ってことを書きました。
そこで、わたしが大笑いしてそのCDを聞くたびに読み返してしまうお気に入りライナーノーツをご紹介したいと思います。
そのアルバムは皆さんご存知、SMAPの楽曲をインストやボーカルを含め再録して発売した「Smappies」というアルバムのこの一節で、ちなみにこのアルバムには私のフェイバリットギタリストのHiram Bullock、その親友のWill Leeをはじめ、Jazz、フュージョン界の大御所が多数参加しており、その筋ではかなり話題になったアルバムだったりします。
以下の文章は、楽曲「Theme of 007」のunion signator & band section contractorとしてクレジットされているAtsushi "SUSHI" Kosugi さんの書かれた文章の一部となります、
この日、BassのWill LeeはHit Factoryの巨大なスタジオに入ってきて、
何が起ころうとしているのかを見たとたん、「こりゃ、なんかのジョークかよ!」と叫んだ。
L.A.から移ってきたばかりで、ニューヨークでの初の大舞台に臨むLead Tp.の
Roger Ingramは、周りのメンツを見て楽器を持って震えていた。
DrumのVinne Colaiutaはニューヨークで行われていたStingのワールド・ツアーの
リハーサルを1日、無理に開けさせての登場である。
入ってきた瞬間、「こりゃ、やばい!」と思ったと言っていた。
Randy BreckerもMichael Breckerも、そしてスタジオに来た誰もが驚いていた。
そして、自分たちに与えられたパートを全員で演奏し始めた時、
その驚きは驚愕へと変わっていった。Popで、Funkで、そしてまさしくJazzだった。
これはものすごいテイクになると誰もが確信した。
Will LeeやVinne Colaiutaの事をご存知の方であれば、この文章から想像できるスタジオの様子っていったいどんだけ、、、みたいな感じで相当妄想刺激してくれるの理解いただけると思います(笑)
このアルバムのジャケットには各ミュージシャンの演奏している写真なども掲載されており、オフショットとしてレコーディング卓の前に座って、馬鹿笑いしているHiram BullockとWill Leeの写真がこれまたそのレコーディングがいかに盛り上がっていたのかをリスナーに伝えてくれています。
こんな感じで収録されている音楽の質も重要だったりするのですが、このようなメタ情報がその楽しみ方を何倍も広げてくれる可能性があるとわたしは思うんですよね。
1996年のこのアルバム発売からMichael BreckerやHiram Bullockが他界している現在、この文章は収められているテイクと同様に彼らを偲ぶうえでとっても大切なものになっていたりします。
ライナーノーツの弱点はそのアルバムを買ってからしか読むこと出来ないわけですが、このブログ記事から、こんな面白いライナーノーツあるよ、、、ってのが続いてきたりしたら楽しいかもって思ったりしたのでした。
このエントリーを書くキッカケについてはこちらのエントリーも是非ご覧ください。