ネットカフェ難民に職業訓練受講で月15万の融資制度を創設へ(つづき)
昨日の「ネットカフェ難民に職業訓練受講で月15万の融資制度を創設へ」の続きです。
社員寮付きや住み込みの仕事を中心に紹介するという取組み方針もあるようですが、ここにはその個人がどのような仕事に向いているのか、もしくはどのような仕事で能力を発揮できるのか、、は2の次になっている事への懸念は昨日書いた通りです。
それではそういう就業環境が提示されない仕事につきたい場合にはどうするか、、、といういことでアパートなどの賃貸契約時の資金を融資してくれる制度も出てきているようです。
厚生労働省と東京都が共同で低所得者対策の一環として、アパート入居などの相談に乗り必要資金の無利子融資もする「TOKYOチャレンジネット」というのを開設したようで、こちらでは、都内での生活期間が半年以上ある成人を対象に、住宅資金40万円と生活資金20万円(いずれも限度額)の無利子融資をしてくれるようなので、ご自身のお住まいの地域でも同様のサービスが提供されていないかどうか要チェックかと思います。
結局ここで書いている事って、ネットカフェ難民というか、一度社会のセーフティーネットから抜け落ちてしまった人たちが復帰する入り口をどう準備して上げられるのか、、、というところで共通課題は多いと思っています。
この手の融資制度などを無駄な出費と考える方や、そこまで面倒見る必要あるのか、、、という意見の方も多くいらっしゃると思いますが、今回紹介した記事の中には、3ヶ月~6ヶ月で具体的にどのような職能についての研修を受けられるのか、そこで身に付けた技能はどの位の給料の職につけるのかまでは書いていませんので、この15万の金額について現時点ではなんとも判断しにくいのです。
ネットカフェ難民という区分だけでなく、働く意欲があり、基本的な潜在能力がある人が、適切・必要な教育を受けていないために仕事を得る機会を喪失してしまうのは社会的な損失なはずなので、
当初予算1億ってありますが、この予算を無駄に使ってしまうことも簡単に出来るでしょうし、ここで訓練する中身によって仕事でもらった分をちゃんと返してくれる人が出てくることで1億の予算がもっと大きな形で社会還元される可能性もあるでしょう。
多分この制度がうまく機能して社会復帰の入り口にちゃんと立って継続的な雇用を受けられるようになったとして、次の課題は国民健康保険の未納になっている保険料をどう支払うか、、、という課題に直面すると思います。
この辺についても管轄は同じ厚生労働省なので、この辺のことも含んだ包括的な施策が必要になってくるのではないでしょうか。
ここ10年~20年で日本で社会人として生活していくための資質はITを活用した仕事術であったり、終身雇用とは違う形での社会人としての働き方への順応性など、従来とは大きく変化してきていると思います。
これは従来型の教育制度や価値判断ではその人物の潜在能力を活かしきれない可能性を多く含んでいるはずで、今回はあくまでネットカフェ難民が主たる対象かもしれませんけど、学歴の有無とか、一度メインストリームから外れてしまったところからのリターンマッチの権利として、また、その人個人の素養を活かせるよう仕組みが多分今後必要となってくるなかで、単なる無駄金の浪費で終わらせて欲しくないのです。
おわり。
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