ベキ法則に従うネットワークの特徴
テクネコの加藤さんのブログで紹介されていた「新ネットワーク思考」という書籍に、スケールフリー・ネットワークという考え方が丁寧に解説されています。
その第六章にマーケティングなどでもお馴染みの「80対20の法則」が出てくるのですが、「パレートの法則」、「80対20の法則」が当てはまる場合、その背後にベキ法則があると見て良いという事が書かれており、ちなみにベキ法則は「活動の大半は一握りの事象によって遂行される」という現象を数学的に表したものだとのことで、ベキ法則に従うネットワークの特徴として以下のような解説と図が紹介されています。パレート自身は「80対20の法則」という表現は一度も使わなかったらしいです)
このようなネットワークは、小さなノード同士をつなぐわずかなリンクだけでは分断されてしまうだろう。希少な存在であるハブが、ネットワークをひとつにまとめているのである。
これを見ると、ふむふむまさにネットの世界ってこんな感じだよな、、、と思ったりするのですが、この章では興味深い記述がどんどん続きます、
- ネットワークは成長する…
- 多くのリンクを持つハブとして優先的に選択されるもの…
- 優先的な選択と成長という組織原理が働いている限り、ハブに支配されるスケールフリーなトポロジーは保持される…
わたしの理解能力と文章能力の欠如により適切な解説できていないかもしれないことを先にお詫びしておきますが、俗に言うポータルサイト(or検索ポータルサイト)はネットサーフィンの入り口としてどれだけ多くの人に訪問してもらうか、という点が従来の大きな課題と考えられてきましたが、この書籍を読むことで、Googleの検索窓、アドセンスのコンテンツネットワーク、Youtubeのコンテンツ共有など日々成長しているインターネットにおいて、Googleに対する優先的な選択がなされるような仕組みを展開している点で改めてGoogleの凄さを感じました。
「新ネットワーク思考」ではスケールフリー・ネットワークの背後にある世界観として渋滞した1車線の高速道路という表現がされており、それぞれのノードが異なる適応度を持ち、適応度の一番高いハブが最大のハブに成長するという「適応度モデル」についての解説があるのですが、
Googleが検索ポータルサイトとして日々増えるwebページの情報に対して対処する適応度を持ち、この日々増えるwebページから優先的な選択をしてもらえるようなサービスとして、Googleの検索窓やアドセンスのコンテンツネットワークを提供し続けることで、「Googleに支配されるスケールフリーなトポロジーは保持される」ということを狙っていたりするのかな、、、と考えずにはいられませんでした。、
そして、ポータルサイトや新しいサービスのサイトにおいていかに集客するかはビジネス的な側面からとても重要ですが、WWWというネットワークの中でどれだけ適応度の高いハブとして存在できるのか?という観点が抜けていたために失敗したり、思い通りの展開になっていないケースもあるのでは?と勝手な想像を巡らせつつ、、、
彼らは検索サービスやGmailなどのサービス面で沢山の人に役立つ存在でありたい、という考え方だけではなく、インターネットにおいての存在価値を数学的な観点からちゃんと把握し、その戦略に則ってすべては展開されているのかも、、、とこれまた突飛な想像をしてしまったのでした。