HTML5をW3Cが2010年9月に正式勧告としてリリースを予定
@IT HTML5が持つ本当の意味
XHTMLがあるのに、なぜ今さらHTML?、、、この記事を見つけた時にはまったく同感でした(苦笑)
制作の現場において、本記事にも書かれているように、実情は以下引用の通りだと私も思います。
確かにインターネットに軸足を置いた企業や、大手のブログサイト、サービスサイトなどはXHTMLに移行しています。機械処理になじみやすいXMLベースということが、多大なメリットをもたらしもしています。しかし、あちこちのWebサイトでHTMLソースをのぞいてみれば分かるように、Webページのほとんどは、XHTMLではなくHTMLで書かれています。
まだこの記事を読んでから1時間くらいしか経過していないので、熟考できていませんが、ここにXHML2とHTML5の世界とそれ以前の世界が混在する環境になった場合に悩ましいのは、アクセシビリティ配慮が最重要課題となる公共・自治体系のサイト構築時にどこまで新技術仕様を採用したサイト設計を行うか、、、というのがまず自分なりの懸念材料として頭をよぎりました。
昨年関わった自治体系の事案では幸いにも出くわしませんでしたが、ネットスケープの4.5対応とか、6対応という作成基準を2年前には提示されたことありましたし、「CSSによるデザインレイアウトの再現性が低いブラウザへの配慮も行うこと」という作成基準を採用している自治体は「XHTML+CSSにより文書構造化を適切に行うこと」という基準を採用している所よりも割合は多いと思います。
たとえば東京23区の公共・自治体系サイトのCMSによる再構築は昨年やっと収束したような感じがするのですが、XHTML+CSSで出力されるソースはテキストブラウザとホームページ読み上げソフトとの相互互換を計る上では比較的取り組みやすいのですが、ここに「CSSによるデザインレイアウトの再現性が低いブラウザへの配慮も行うこと」という仕様が加わってしまうと相互承認できる制作基準を定めるのは非常に手間がかかるところに突入してしまいます。
特に公共・自治体系サイトにおいては、ユーザが公共サービスの一環として提供される情報を使っているブラウザによっては受け取れないという事態になってしまうので、最新技術を採用についてはより慎重にならざる得ませんから。
HTML5によって、何が変わるのかという点については記事参照いただくとして、「dialog」
、「figure」、「audio」、「movie」などは視聴覚障害を持つ方々のweb閲覧時に今までどうしても不足していた情報を補完する技術仕様として非常に有効と思いますし、「draggable」はブラウザ上での操作性をアップさせてくれるものにきっとなるでしょう。
はたまた、webアプリの開発者からすれば、戻るボタンを正しくサポートする苦労から解放してくれるような仕組みも含まれるというのは非常に嬉しい知らせだと思います。
【追記】もちろん、HTML5で定義されるタグセットやAPIは従来の意味でのHTMLとしても書けますし、XMLとして書くこともできるので、そういう意味で、これは何もXHTMLの世界がHTMLにステップバックするというわけでもありません。XHTMLに関しても、XHTML2へ向けた開発作業は引き続き行われます。
追記の内容をみてホッとしているところもあるのですが、前述のようにXHTML+CSS普及以前のブラウザサポートをどうするか、、、という点においての課題は残ったままですので、記事中にあるような「HTML5の正統性」は絶大なものになった時の制作現場がどのような対応をしなければいけないのかが非常に気になるところですし、HTML5というこの存在が、Webに関わる誰にとってもきわめて重大な意味を持つことになるだろうということに関して記者の方と同様に、わたしもまったく同感です。
P.S.
制作会社は今のうちからHTMLとXHTMLの違いについて説明する資料にHTML5の項目追加と内容の書き換え準備を進めたほうが良いかもしれませんね。
セマンテック技術についても書きたかったですけど、また長くなってしまうのでここでやめときます(苦笑)