お金を頂いてありがとうと言われるサービスを目指す
今回は秋葉原のガード下で買い物をした時のエピソードです。
私は趣味でカーオーディオを多少いじっており、今回カーナビのシステム変更に伴い、1本の口を2分岐するRCAケーブル(音声信号を入出力する赤白のケーブル)が必要になりました。
通常の利用方法ではほぼ使うことのないようなケーブルの為、そもそも存在するかもわからない。且つ、機器の設置状況の関係で出来るだけ短いケーブルという、かなりニッチな要求でした。
とりあえず、ケーブルの在庫が多そうな新宿のカメラ屋・電気屋を数件回りましたが、売っていないお店がほとんど。売っていても短いものが存在しない。店員にそのようなケーブルがないか聞いても、「売り場に置いてあるものしかない」という予想通りの回答。
以前パーツだけ買ってRCAケーブルを自前で作ったことがあるので、仕方なしにパーツを買いに秋葉原のガード下へ。知らない人が歩くと誰がこんなものを使うのか?というようなパーツが盛普通に売られているスペースですが、私にとってはとても貴重なスペース。
RCAケーブルのプラグを売っている店でパーツを漁っていると、店員(おじちゃん)が何を作るの?と問いかけられる。
ほしいケーブルの説明をしてどこにもないから自作しようとしていることを話すと、「2本のケーブルを1本にまとめると電圧の差が生じ、片方しか音が出ないことがある。さらに、それをやるんだったらこれを買ったら?」と、RCAの口を2つに分岐する端子を勧めてくれた。1個250円、2個買ったので500円。思いもつかなかったものを提案してもらい、お金を払い最後に「ありがとうございます」と言って帰りました。
普通、商品を買ったら店員から「ありがとうございます」とは言われますが、自分から「ありがとうございます」とはいうことはありません。
しかし、この店で「ありがとうございます」と言ったのは、店員が自分より深い知識を持ち、自分にとって有用な提案をしてくれたから。そのとき、自分は250円の端子だけでははく、問題の解決方法を教えてもらったため、「ありがとう」と自然と言ったのでしょう。
物やサービスが売りづらくなった最近では、提案営業という言葉がもてはやされています。しかし、提案営業という言葉だけを使って提案営業になっていないものも多く見られます。
提案営業を行うには、提案分野の知識・経験と顧客が持つ問題解決能力が必要になります。それがなければ、ただの提案テクニックになります。500円程度の買い物でしたが、ふとしたところで提案営業の基礎を勉強させてもらいました。また、このような提案が出来る会社・営業は生き残ることが出来るのだと改めて感じました。