IT資産管理で思うこと
私はIT資産管理を推進することを生業としていますが、改めて管理について考えようと思い今回のネタにしました。
最近は、ソフトウェア資産管理や内部統制・セキュリティ等様々な分野でIT資産管理が求められるようになりました。そのため、昔に比べてIT資産管理について話を聞いてくれるお客さまも多くなりました。
私がこの仕事を始めたころ(10年前ぐらい)は、何のためにIT資産管理をする必要があるの?そしてなんでこんな金額を払う必要があるの?とよく言われたものです。確かに、管理というものは営業活動と異なり、企業の直接の売り上げに貢献しません。逆に、コストを要する仕事です。そのため、「売り上げに貢献しない+コストがかかる=必要ないもの」と判断されていました。
最近は少し風向きが変わり、コンプライアンスだ、内部統制だ、セキュリティだ等と追い風が吹いてきて、管理にお金を支払ってくれる組織が多くなってきました。しかし、追い風になったとしても、昔と今とでやることは大きく変わりません。何をするかというと「組織が保有するIT資産を把握すること」。変わったのは、「把握した結果の活用方法」。
昔は、IT資産の情報を把握しても、使い道を明確に示すことが難しかったため、顧客に必要性を理解してもらうのが難しかった。しかし今は把握した情報を、先ほど書いたコンプライアンスや、内部統制、セキュリティなどの為に活用できるため、IT資産管理のニーズが高まってきました。
しかし、昔と変わらないのが、IT資産を把握することが管理で、これができていればIT資産管理はできたと思っている人がことのほか多いこと。確かに、把握することは必要ですが、それはあくまで手段であり、IT資産管理の目的ではありません。
先ほど、コンプライアンスや内部統制、セキュリティ等のワードを出しましたが、これがIT資産管理の目的。それを実現する為の手段の一つが組織が保有するIT資産を把握すること。考えてもみれば、組織が保有するIT資産のリストを一生懸命作っても、その状態では全く役に立ちません。しかし、その状態で止まっている組織が結構多いのが現状です。
IT業界はブームを追い続けると昔のブログに書きました。IT資産管理も小さいウェーブではありますが、IT業界で少しブームになっています。しかし、ブームで終わるものもあれば、残り続けるものもあります。それを分けるのは、顧客にその本質を理解されているかということだと思います。
私はIT資産管理を生業としているのもありますが、ITが生き残り続ける限りIT資産管理は必要と考えます。単なるブームで終わらないよう、その本質を伝え続けてゆきたいです。