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「自分」というブランドのマネジメント

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今から7年程前のこと、当時関東では無い所に住み働いていた私は、
上司に頼み込んで、東京で開かれることになったセミナーに
出張旅費+受講料を会社から出してもらい、参加させてもらうことになった。

何より、外への出費にうるさい会社だったので、
たかだか平社員のわがままによく上司がOKしてくれたものだ、と思った。
(結果、上司も興味を持ってくれて、一緒に参加することになったのだが。。。)

そのセミナーとは、主催:日本経済新聞社で1999年に開かれた
「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント1999」である。

当時CRMという言葉が大ブーム(?)で、CRMに関する国内初の大々的なカンファレンスだった、と記憶している。
セミナー講師も國領二郎氏、太田秀一氏、三谷宏治氏、松尾順氏、と当時CRMに関する雑誌記事、書籍にて多数名を見かける
そうそうたる顔ぶれの講師陣であった。

セミナーの内容はそれぞれ充実したものであり、それぞれ異なる視点からCRMが論ぜられており、
CRMというものを理解する上で非常に参考になったのだが、
特に松尾順氏の講演でのある一節が非常に心に残った。

その概要を記述すると、
ブランドイメージ=お客様に対して、お客様が期待するサービスの提供を行えるという約束
ブランド経験=お客様に対して、実際に行ったサービスの提供
ブランド経験-ブランドイメージ=CS(Customer Satisfaction、お客様満足)

という点である(・・・あくまで記憶している概要です)。

当時、自分の所属する部門の中で一番CSに関する読書量が豊富(→自分調べなので根拠が無いのだが)で、
佐藤知恭氏の顧客満足に関する書籍に傾倒していた自分としては、
CSという、お客様それぞれの価値観、および期待値により左右される結果指標を他社に比べて高いの低いの、といった議論が部門内で取り沙汰されるのを聞く度に嫌悪感を感じていた。

まず自分達がどのようなお客様をターゲットユーザーとして設定し、
そのターゲットユーザーに対して自分達が提供しなくてはいけない、カスタマーサービスとしての"CS"を
具体的に設定できていないのに、無作為に選択したお客様にアンケートを送り付けて回答してもらった結果で一喜一憂することに何の意味があるのか?と。

ただ、「じゃあ妹尾はどうなったらCS(お客様満足)が生まれる、と考えるんだ?」と尋ねられたら
回答する答えを持っていなかった(→幸い、誰も尋ねて来なかったが)。

そんな時に出会ったのが、松尾順氏の講演である。

元来自分はブランド(→正確には有名ブランドと呼ばれるものが提供するもの)には全く興味が無い方である。
時計?・・・いいじゃん、時間が分かればどんなものでも。
スーツ?・・・いいよ、セールの1万切る奴で十分十分。
電化製品?・・・まぁ機能が満たしてたら何でもいいんじゃないの?
だから我が家にあるものは本当に統一性が無いぐらいなので、自分自身がブランドにハマる、という心境そのものはよく理解できない。

ただ、ブランド、というものに魅せられてしまう人が単なる憧れではなく、
実際そのブランドの物を手に入れた時、ハマってしまう、という所には、
単なる見栄だけでは無い何かがあるはずだし、そこにリピーターが生まれる構造がある、とは理解できていた。

そのブランド(→この場合ブランド・イメージ)が、有名であればある程、
もしくは多くのお客様の琴線に響く何かがあればある程、お客様の期待値は高まり、
その高まった期待値を超えられるブランド経験ができればできる程、顧客満足が得られ、
それが更なるブランド・イメージ向上につながり、というスパイラル・ループを描くことができるのだ、と思う。

でも、冷静に考えれば、これって個人の消費行動の話だけでは無い。

例えば、人の好きになり方、なんかもそうでは無いだろうか。

パッと見、格好いい、とかかわいい、とかいうのがブランド・イメージ、とした時、
実際話してみて、もしくはしばらく友達付き合いしていく中で
「お?こいつ単にかわいいだけじゃなくて考え方何かもすごくいいな」
とかなると益々好きになっていくだろうし、
初対面の段階ではそれ程琴線に響かなくて、そういう意味ではブランド・イメージが低かったのに、
ずっと関わっていく中で相手の人となりがよくわかっていくに従って満足度が急速に上がっていく、とか。

ましてや仕事での付き合いなんかはもっとそうだろう。

自社の中の他部門の人間と一緒に仕事をすることになる、とする。
初対面でどんな人かわからない。
一緒に仕事を進めていく中で、「こいつ使えるな」とか「できるな」とか、
また逆もしかり。
そうして一つの仕事が終わってプロジェクトチームとしては解散。
また別の人がその人と組むことになった時に、その人が、
「そう言えばお前、前ん時あいつと組んでたよな?どうやった?」
と言われた時に、
「あの人と組むのは仕事やり易いよ」とか「めっちゃ切れるよ」とか、
もしくは「・・・あえて、コメントは差し控えさせてもらうわ」と言うことになるのか。
言われる相手はもちろんのこと、自分も相手にそう言われているかもしれない。

自分なんかは所詮ヒラのサラリーマンだし、何か特別な資格や技能がある訳じゃ無いし、
当たり前だけど社内で名刺を配る訳も無いし、プロフィールや職務経歴書を持ち歩いている訳では無いから、
当然「ノーブランド」の商品な訳だ。
でも、「自分」というブランドが相手と関わった時に、
やはり相手には「こいつとまた組みたい」と思ってもらえるようなブランド経験が提供できるよう、
常に努力はしているつもりだ。

皆さんは「自分」というブランドのマネジメント、やっていますか?

(参考URL)
國領二郎氏:國領研究室のホームページ
http://www.jkokuryo.com/

太田秀一氏:経営コンサルタント・太田秀一の「Home」ページ
http://www.cio-cyber.com/pj/

三谷宏治氏:三谷宏治の 学びの源泉
http://www.careerinq.com/press/mitani/
(現在はアクセンチュア辞められたのですね・・・存じ上げませんでした)

松尾順氏:マインドリーディング・マーケターのための本格応用心理学
http://www.mindreading.jp/
(松尾さんも電通ワンダーマン辞められて起業されているのですね・・・)

佐藤知恭氏:「顧客満足ってなあに」のホームページ
http://members.aol.com/satowt/

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