阿里巴巴(アリババ)その1(その強みは何か?)
阿里巴巴は浙江省を代表するBtoBコマースを扱う企業である。いや、今や中国を代表するネット企業といっても差し支えないと思う。この阿里巴巴(アリババ)という中国ネット企業、最近でこそ、その創業者である馬雲がソフトバンクの取締役になったりと知名度は徐々に上がりつつあるが、それでも先頃、日本へ進出した百度(バイドゥー)などと比較すると、阿里巴巴(アリババ)のビジネスの内容を理解している日本人は少ないのではないだろうか?ましてや、阿里巴巴(アリババ)がどのようなビジネスモデルを採用して、現在の地位を築いたか?に関して知る人は更に少ないと思う。
これが李彦宏率いる百度の場合には、非常に簡単にそのビジネスモデルを説明できる。検索エンジンを運営する百度が、Googleに打ち勝っている理由は非常に単純である。同じモデルをGoogleが採用できないからである。今後は変わっていくのだろうが、少なくとも今までは検索エンジン百度で最も人気のあるサービスは、ミュージックサーチであった。言う前でもなく、検索対象を違法mp3ファイルに特化された検索エンジンである。裁判の結果、百度自身が違法mp3ファイルを配布しているわけではないので合法であることが認められている。しかし、まさか同じサービスをgoogleが実施することもできまい。従ってちょっと乱暴に言えば、これまでのところGoogleは百度に太刀打ちできないわけである。
著作権に関する裁判結果は、それ自体で一つのテーマになるほど複雑怪奇だと思う。たぶん、百度ミュージックサーチを同じようなサービスを運用したら日本では違法になる可能性が高いと思う。最近聞いた話だと、PtoPの有名なネットワークであるBitTorrentにSeedファイルを提供(ようはコンテンツをアップロードすることに相当する)した人が有罪になった、と聞いた。しかし、さすがに道具に過ぎないBitTorrentのクライアントソフトの開発者が逮捕されることはないだろう。話はそれるがまとめてみると、
日本 違法コンテンツ配布だけではなく、配布の道具を作っただけでも逮捕される
香港 違法コンテンツ配布の道具を作っただけでは問題ないが、配布すると逮捕される
中国 現在までのところ実質的には御咎めなし
とこんな感じになるのだろうか?どう考えても香港でとられている施策が一番まっとうに思えるのだが、どうだろうか?
話を戻すと、百度のビジネスモデルがわりと理解がしやすいのだが、もう一方の阿里巴巴(アリババ)はどうなっているのだろうか?何故、彼らは利益を上げることができるのだろうか?
以下、続く!