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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

10月4日 心の契約、無形の契約~哲学なのか、予測力なのか?(#499)

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一流の人間の言うことは、一見シンプルなようで実は難解(「深い」とはちょっと違う)ということがあります。本日の松下幸之助さんの言葉は、そういう類のものだと私には思われました。

話の内容は単純です。会話調に書き換えてみます。

「今期は百億円の商いをし、来期は百二十億円です」と松下さんがあるところで自社の業容にふれました。

「松下さん、この不況なのに、そんなにできるのですか? できないことを言うのは無責任でしょう」とある人が言う。

「これは正確に申し上げています。それだけ販売する契約ができているので、正確に販売しなければならない。また、製造しなくてはならないのです」

「けれども、御社の製品は注文販売はほとんどなく、一般の消費者が買うものでしょう。契約があるというのは、どういう意味ですか?」

「おっしゃるとおりですが、我々は社会の人々と心の契約、無形の契約を結んでいます。つまり、それだけの需要があると解釈して、それで百億製造する義務があると思っているのです」

正確な需要予測を誇っているかのようにも読み取れます。一方で、百億円売ると決めたから売ると言っているようにも聞こえます。

私には、まるで禅問答のように聞こえました。どう解釈したらいいのでしょうか?私にはよくわかりませんでした。

ただ、最後の「義務」という言葉に経営哲学のようなものを感じます。要するに、百億円の商いをするのは、使命に基づく義務なのであるということ。これが一番近いのかもしれません。

今日の一言)一流の人間の言うことは、いっけんシンプルなようで実は難解なことがある。

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本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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