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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

6月14日 遅速~納期・品質・コストで最優先すべきものは?(#387)

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松下幸之助さんは、今日売れているものが明日も売れているとは限らない。なので、設計をする人なら瞬時に設計できるようふだんから訓練せよ、と言います。

ところで、製造管理やプロジェクト管理の三大管理要素は、納期・品質・コストだといいます。

そのほかにも、人や契約やコミュニケーションなど管理すべき項目はたくさんありますが、基本的には上記の三大要素をコントロールするための項目と言ってよいでしょう。

(当然ながら、納期や品質より人のほうが大切ですが、重要度と目的とは区別して考えなければいけません。)

もう10年以上前のことですが、ある研修で、納期・品質・コストのうちどれが一番大事かということを講師から聞かれました。

参加者はおのおのの説を述べていましたが、講師の結論は、どれも同じぐらい大事、しいて言えば品質だろうか、ということでした。

当時の私は、この答えに納得していたのですが、自分がマネージャーになってからは、違うと思うようになりました。

どれも大事なのは当然です。しかし、3つを同時に満足するのが難しい場合に、何を最優先にすべきか?――どれが一番大事かというのは、このような決断の場面での問いであるはずです。だとしたら、「品質」と言い切るのは違うように思います。

私は、松下さんと同じで、ビジネスにおいては機会を逃さないことが一番大事だと思います。

となると、納期をまずは最優先で考えるべきはずです。

では、品質は悪くていいのか?

信頼性や安全性のような指標はもちろん死守すべきです。そうでないと納期に間に合っても、逆にビジネスを窮地に陥れることになります。

しかし、機能性や操作性のような品質は、納期に見合ったレベルにしてもいい――というよりはしなければなりません。

なお、コストに関しては、納期を守り、品質を納期に見合うものに調整すれば、予算を超えることはありません。

私は、以上のような考え方を当然と思うのですが、世の中ではあまり認められていないようです。

「そうはいっても機能性や操作性も確保しないとユーザが使ってくれない」というような「正論」が場を支配し、多くの開発技術者がひどい目にあっているように思います。

ただ、日本人の非合理ともいえる品質へのこだわりが、日本を発展させてきたのも事実。難しいところです。

今日の一言)納期に遅れると、機会損失するうえ、コストも超過する。納期を最優先で考える文化を作ろう。

 

本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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