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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

偶然なのか必然なのか?とにかくナマ坂本光司先生を見た!(#214)

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Q)利他的な「すごい」会社は、何が有利なのでしょうか?

前回の記事で利他的な「すごい」会社・人の時代が来るのではないかと書きました。

理念があるだけではだめ。理念がすごく、実践もすごい。そういう会社、あるいは社員の時代がすでに来ていますが、今後は主流になると思っています。

最近は、コンサル先でもそのようなことばかり言っております。また、ブログ等でもそういう発信を増やしています。

すると、やっぱり何かが起こるのですね。

昨日、アイエスエフネットハーモニー(以下ハーモニー)という会社の出版記念講演に、某出版社の事業部長と編集長といっしょにご招待いただき参加してきました。社長である渡邉幸義氏が『社員がみんなやさしくなった~障がい者が入社してくれて変わったこと』という本を出版されたのです。

ハーモニーは、アイエスエフネットというIT企業の特定子会社です。

このアイエスエフネットという会社がまずすごい。創立は2000年1月。小さな事務所で社員4名でした。それが、いまでは1800名の社員を抱えています。まさに「雇用創出にこだわる」すごい社長です。

最初の5年間は履歴書なしで、人柄だけで採用してきたのだそうです。

5大採用ということを掲げて取り組んできました。

1)ニート・フリーター、2)FDM(Future Dream Member、同社では障がい者をこう呼ぶ)、3)ワーキング・プア、4)ひきこもり、5)シニアを積極的に採用していこうということです。

ハーモニーは、障がい者雇用を促進するために作った特定法人です。

多くの会社が、そんな人たちを採用したら経営に支障があると思っています。障がい者については雇用率が法律で定められていますが、罰金を払ってもそれを守らない会社が多い。うちにはそんな余裕はないという理屈です。

アイエスエフネットグループがすごいのは、このような雇用を続けてきたのに、ずっと増収増益で、たった11年で社員数を450倍にしたということです。

いや、このような雇用を続けてきたからだと言えましょう。

 

昨日の講演会には、渡邉社長のほかに、田中大輔中野区長と『日本でいちばん小さな会社』の著者・坂本光司法政大学教授が講演者として参加していました。

実は、私は坂本先生の大ファンでして、一度実物を見たいなと思っていたのですが、期せずして叶ったのでした。

さて、このメンバーは何を意味しているのか?

お分かりですね。産官学が集まったということです。

産官学などというと、また怪しむ人がいるかもしれませんが、私が見る限りは3人とも志の高い方でした。

利他性の高いことを続けていると、行政も学者も応援してくれるようになるんですね。しかも志の高い応援者がつくのです。

私は、産官学の連携ということはほとんど意識していなかったので、目からウロコの思いでした。

行政や学者が味方してくれることの優位性は言うまでもないでしょう。

それも大義や理念といったものがないとあり得ないことです(そうでないと一私企業への行政の肩入れということになってしまいますから)。

 

ところで冒頭で、「何かが起こる」と書きましたが、1つはナマで坂本先生を見られたということです。もう1つは、今後一緒にいった出版社の人たちとの絡みで、アイエスエフネットとご縁ができそうなことです。

美学で経営をしようなどと言い出したのは、ここ半年ぐらいなのですが、続けていると、自分もそういう渦の中に巻き込まれていくのかもしれません。


今日の一言)利他的なすごい会社は、行政も有識者も応援してくれる。

アイエスエフネットでは、雇用前教育に力を入れています。知的障がい者を雇うとなると最低2年は教育が必要なのだそうです。それでも雇うのはなぜか?

2ヶ月の教育で2年で辞める人より、2年の教育で40年いてくれる人のほうがいい

からなんだそうです。私は、すごい発言だと思いました。

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