コンサルタントやコーチで起業したい方へ~あるいはこれらの存在理由
会社員の方で、種類は何でもいいのですが、我々のような小さな会社がやっている自主開催セミナーに参加したことがある方はどれぐらいいらっしゃるのでしょうか?
たぶん「クラスに一人」もいらっしゃらないのではないかと思います。
いや、自営業者でも経営者でも、会社員よりは多いけれど、クラスに一人もいらっしゃらないように思います。
その細々とした市場(マーケット)の中で、数多くのコンサルタント、コーチ、士業、セラピストなどなどがひしめいているのです。我々の集客というものがいかにたいへんかお分かりになろうかと思います。
それでも、これで食べれている人もけっこういます。
彼らが、食べられるのはなぜでしょうか?
●人は自分ひとりでは自分のことは分からない
それは、ありきたりな答えですが、やはり必要性があるからです。
自分あるいは自社のことを独力で分析できる人はほとんどいません。
そして、うまくいっている(あるいはこれからうまくいく)人や会社は、逆にそのことを謙虚に受けてとめているので、本を読むだけではなく、セミナーに参加する――ぼくはそう解釈しています。
●あるプラスティック製品製造販売業者の実例
コンサルの存在理由を物語る事例をお見せします。
去る5月26日に、自分軸発見セミナーをやりました。
そこに参加してくださった、プラスティック製品を製造販売している大岩卓さん(仮名)のコンサル・ライブ事例です。
大岩さんは、今年になってから弊社主催のセミナーに次々と参加してくださっている常連さんです。
メルマガや我々の著書も熱心に読んでくださっており、自分軸についてもよくご存知です。
大岩さんのコンサルライブの模様を物語る画像をご覧ください。
▲大岩さんのコンサル・ライブ(クリックすると拡大図が出ます)
※字を間違えています。「施工」が正しいのに「施行」と書いてしまいました(恥)。
今回は、先にご自分で自分軸を考えていただいてから、希望者のコンサル・ライブをやりました。
青い四角で囲っている部分が、元々大岩さんが見つけ出しておられた部分、赤の楕円がぼくが質問をしながら引き出したキーワードです。
さすがはよく勉強なさっている大岩さんです。
「誰に」は、きちっと社会的ドメインと心理的ドメインで構成されています。
また、「何を」に最初からある程度顧客価値――「安心」――を含めておられました。
それでも質問すると、まだまだ出てくるんですね。
●「共感」は、深いところにある
大岩さんは、2代目ということなので、先代社長(お父さん)との関係を質問してみました。
先代は職人肌の方で、ワンマンだったんだそうです。こだわりの職人がイメージできますね。
大岩さんは反発して、一時期は喧嘩してクビになったこともあるのだそうです。
では、なぜ今やっているのですか?という質問に対して、やっぱり現場から学ぶことが多く、現場が好きだからという答えが返ってきました。
そうすると、大岩さんの会社の製品を使ってほしい人たちも、現場の人たちじゃないんですか?と訊いたら、やはり「そうだ」と。
ここまで来れば、「共感の物語」を創ることができます。
ぼくが提案した物語は次のようなものです。
大岩さん自身にも、先代のこだわりの職人のDNAがあって、現場の人たちにとって一番価値のあるものを作っている。それを現場で苦労しながらも、品質へのこだわりを捨てない人たちに提供したい。
こういうことかと確認したところ、これもYesでした。
さらに、こういうことをメッセージとして伝えているか確認したら、Noでした。
ダメ押しとして、こういうメッセージを伝えたら問合せが増えるように思うかと訊くと、「是非やりたい!」と元気な返事が。
懇親会で、大岩さんが「今日のセミナーの最大の収穫は、コンサルの希望者を募ったときに手を挙げたことだね」と述懐されていて、ぼくもやってよかったと思いました。
●一流のコーチやコンサルは、コーチをつけている
大岩さんは、自分の書いた以上の何かが出てくるとはまったく想像していなかったのだそうです。
しかし、我々コンサルタントやコーチは知っています。自分ひとりで答えが出てこないことを。
だから、一流のコーチやコンサルタントは、必ずコーチをつけていますし、高額なセミナーにも自腹を切ってどんどん参加しています。
それが一番安上がりで時間を節約できるからです。
さて、この記事のタイトルは、「コンサルタントやコーチで起業したい方へ」でした。
賢明なあなたは、もうお分かりですよね。
コンサルやコーチに必要なものは、まずはもちろん知識や専門性です。しかし、それは必要条件であり、それだけで起業はできません。
起業できる人が持っている力は、質問力なのです。
これがなければ、セミナーはできても、コンサルティングやコーチングはできません。
質問力も本を読むだけでは身につきません。プロが実際にやっているところを見ないと分からないのです。
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