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米国東海岸発、とあるソフトウェア開発者のよもやま話

カメラは楽しい (3):OLYMPUS PEN Liteでオールドレンズ - M42レンズは昭和の味がした

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カメラは楽しい:OLYMPUS PEN Liteを買いました
カメラは楽しい (2):OLYMPUS PEN Liteでオールドレンズ - 16mm映画のシネレンズが映し出す世界はまさにファンタジー
の続きです。

マイクロフォーサーズなカメラ、OLYMPUS PEN Lite E-PL1でオールドレンズ、あいかわらず遊んでます。今回はオールドレンズを語る上で、はずすことはできないであろう、M42マウントのレンズの話です。

M42とは何か?

M42といえば、オールドレンズの代表格です。M42というのはレンズマウントの規格のひとつで、M42のレンズは、カメラとつなぐところが、42mm径、1mmピッチのねじになっています。レンズをくるくるまわしてM42対応のカメラにレンズをつけます。マイクロフォーサーズのカメラだけでなく、PentaxやCanonなどの現在のデジカメでも、M42アダプターを使うことによりM42のレンズを使うことができます。

M42の歴史は古く、戦後1949年に、Zeiss社のContax Sというカメラで初めて登場し、その後はユニバーサルなマウント規格として、非常に多くのカメラに使われきました。Carl Zeiss, Asahi Pentaxを初めとし、数え切れないくらい多くのM42レンズが存在し、中古カメラやさんや、ebayやYahooオークションなどのオンラインオークションサイトなどあちこちで、M42のオールドレンズを手に入れることができます。安いものでも非常に優秀なレンズがそろっているのがこのM42レンズの特徴です。

M42マウントのレンズは、昭和を代表するレンズと言えるでしょう。また、魚釣りで言えば、フナに始まりフナに終わる、ワインで言えば、千円ワインなど、そんな感じがします。(なんだそれ)

一度始めるとと、レンズ沼、レンズ地獄が待っている?

多くの人が、M42レンズを集めています。価格は、安いものだと数千円程度から、プレミアものだと何十万円までといったところでしょうか。ebay.comなどでは、安いものだと数十ドル程度で手に入れることができるので、手軽に収集できます。そんな安さもあって、わかってるんだけど次から次へと買っていってしまう、そんな現象を、「レンズ沼」とか「レンズ地獄」とか言われてます。「レンズ沼」とか「レンズ地獄」をGoogleで調べると、たくさんのページが検索できます。M42というのは、それだけ、人を夢中にさせる魅力があるのでしょう。

なにはともあれアダプターが必要

マイクロフォーサーズのカメラでM42レンズを使うには、M42マウントからマイクロフォーサーズマウントに変換するアダプターが必要です。ebay.comでは"M42 micro 4/3 adapter"で検索するとたくさんのアダプターが売られています。安いものでは十数ドルくらいからあります。私が手に入れたのは、Pixco M42-m4/3(中国製)というアダプターです。アダプターを選ぶ上で重要なのが、ピン押しタイプのものを選ぶということです。( aperture stop down pinとか書いてあります)アダプターが、レンズの下に生えているピンを押すことができないと、レンズの絞りを変えることができなくなってしまいます。このPixcoのアダプターは、EBC Fujinonのレンズについているツメとも干渉しないのがいいです。

m42m43adapter
Pixco M42-m4/3アダプター。銀色の輪の内側が42mm径1mmピッチのネジになってます。

M42olympuspenlite
カメラにM42アダプターとレンズを取り付けるとこんな感じです。

ということでM42レンズをいろいろと買い込んでます

私が持っているM42マウントのレンズをいくつかご紹介します。

M42lenssupertakumar55mmf18
Asahi Super-Takumar 55mm f1.8
M42の定番レンズです。最短撮影距離45cm。オートとマニュアルのスライドスイッチがついてます。すべて金属製のボディの小さいながらもずっしりとした重さ、そしてシンプルなデザインは工芸美といえるほど(だと思います)。ebay.comで25ドルで落札。

m42lenspentacon50mmf18
Pentacon Auto 55mm f1.8
東ドイツのPentacon社製のレンズです。西のタクマー東のペンタコンと言われているらしいです。これもボディは全部金属製で持つとずっしりきます。フォーカスダイヤルの黒と銀色のシマシマ(zebraと言います)はこのころはやったデザインのようで、いろんなレンズでこの柄があります。最短撮影距離33cm、近づけるのが魅力です。ebay.comで10ドルで落札。

m42lenspetri50mmf17
Petri CC Auto 50mm f1.7
日本のペトリカメラ社製。60年代に、安価な製品を主力に、独創的で斬新なデザインやメカニズムを持ったカメラを次々と送り出したカメラメーカとのこと。ボディはプラスティックなダイヤルなところが、すこしチープな感じですが、なんか白地にpetriと書かれたところのフォントがいい感じだしてます。最短撮影距離60cmなんて融通がきかないところもいい感じ?ebay.comで15ドルで落札。

M42lensebcfujinon55mmf18
EBC FUJINON 55mm f1.8
富士フィルム社製のレンズです。最短撮影距離45cm。ebay.comで30ドルで落札。

うーん、チープに競り落としたレンズばかり。まったく高額なレンズがありません。笑

 

レンズ撮り比べ

裏庭の5年たっても落ちない松ぼっくりを撮ってみました。
上で紹介したレンズを、絞り優先モード&絞り開放で、撮ってみました。他の設定はすべてオートにしてます。なので厳密的な比較にはならないかもしれません。マイクロフォーサーズなので焦点距離は35mmフィルムカメラ相当で倍になります。(マイクロフォーサーズでの55mmのレンズは35mmフィルムカメラ相当で110mmのレンズになります) 

M42pineconessupertakumar55mmf18
Asahi Super-Takumar 55mm f1.8
やっぱりこの写りはM42のスタンダード、Takumarと言う感じでしょうか。

 

M42pineconespentacon50mmf18
Pentacon Auto 55mm f1.8
あれ?実はPentaconのほうが根暗な写りだと思ってたのですが、Takumarと比べて意外といいのではないでしょうか?背景の光点ボケをよーくみると六角形になってます。絞りが六角形なんですね。もうちょっと絞るとこの六角形がはっきりでて、背景のぼけがうるさくなったりすることもあります。

 

M42pineconespetri50mmf17
Petri CC Auto 50mm f1.7
この地味というか、べっとりな根暗な配色のイメージがこのPetriにはあります。日本の古い路地裏とか、お地蔵さんとかそんなものを撮ってみたくなります。ホワイトバランスはオートでとったんですがちょっと調整してみたくなるかもしれません。

 

m42pineconesebcfujinon55mmf18
EBC FUJINON 55mm f1.8
EBC FUJINONは好きなレンズのひとつです。petriが暗いべっとり系だとすると、このEBC FUJINONは明るい系で、Takumarよりシャープという感じがしています。でも今回は上のTakumarにくらべてそんな変わりませんね。実はこの写真は夕方に撮っていて、最初にTakumar、最後にEBC FUJINONを撮ったためかもしれません。

ということで

最近はebay.comをのぞいて、すぐに"Place bid"ボタンを押してしまいます。。。

M42alllenses

これがそのレンズ沼の始まりなんでしょうか。。。

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