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顧客サービスとITのおいしい関係を考える

素直にiPhoneになれなくて。

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8月は株式会社テクネコにとって、5年目の最初の月だった。本来であれば1年の抱負を述べたエントリを書くべきなのだろうが、日々の仕事に追われているうちに9月になってしまった。2010年の目標については、1月に<【番長と遊ぼう!】今年は「TaaN」で。>に書いたので、そのまま続行中ということにしておく。

8月はもう1つ重要な意味を持った月だった。携帯電話の年間割引の更新月だったのだ。

私が使っているau携帯電話の料金プランは、「コミコミエコノミー」だ。月額3,980円で、パケット料金は完全従量制。通話とパケット料金に充当できる2,000円分の無料通話が含まれる。これを年間契約にすると、月々1,200円が割引になる。そのかわり1年の途中で解約すると、違約金が発生する。その年割の継続を決めるのが、私の場合は8月なのだ。

auを解約する理由になる可能性があるのが、iPhoneの存在だ。私の周りのオルタナブロガーの間では、iPhoneの普及率は9割を超えているのではないかと思う。Windows Mobileや他のスマートフォン所持者はほとんどいない。「iPhoneか、それ以外か」な状況で、「iPhoneを持っているのが当然」くらいの雰囲気だ。その中にあって、私はこれまで一切スマートフォンを持たずに来た。

この機会に電話料金の明細をよく見てみたところ、パケット料金を毎月4,000円程度払っている。私は携帯独自のネットサービスはほとんど使っていない。パケット料金は、仕事のメールを携帯に転送しているために発生している。

と言うことは、iPhoneに乗り換えて、この4,000円をそのまま「パケットし放題フラット」の月額4,410円に転用すれば、トータルの費用はあまり変わらずに使い勝手が大幅にアップするのではないだろうかと考えた。

通話のための「電話機」とメールやウェブのための「データ端末」がどうあるべきか、検討してみた。

「電話機」としてのauは全く不都合を感じていない。圏外になったり不安定になったりすることなく、確実に使えている。有線・無線を問わず、通信機器やサービスは見た目のスペックより確実性が重要だと思う。

iPhoneを目的にauからソフトバンクに「電話機」を乗り換えるのは、私の場合はちょっとためらいがある。

私が横浜の今の住所に引っ越ししてきたのは、10年ほど前だ。当時の私は、ソフトバンクの前身(ボーダフォン)の前身である東京デジタルホンの利用者だった。

引っ越した最初の夜に携帯で寿司屋に出前の電話をかけたところ、向こうの声はよく聞こえるのだが、こちらの声は全く届いていない様子。室内では電波強度が弱いのを見て、わざわざ外に出て電話したにもかかわらずの片通話だった。私鉄の駅からバス停2つくらい場所なのだが、当時の東京デジタルホンのアンテナの密度はその程度だったのだろう。その後も近所の屋外で圏外になることがあって、思い切ってauに変えてしまった。それ以来、通話に関しては実に快適だ。

補足しておくと、当時のDoCoMoとIDOが800MHz帯を主に使っていたのに対して、東京デジタルホンとツーカーは1.5GHz帯を使っていた。電波は周波数が高くなると、ビルの影や室内に回り込まなくなる。ネットワークを整備途上の後発企業で、しかも高い周波数を使うことで、東京デジタルホンは不利な状況だった。その後にdocomoやauも1.5GHzより高い周波数を使うようになったが、基本的な周波数の構造は今でも変わっていない。

【ソフトバンクモバイル】天下分け目の関ヶ原、夏の陣>で書いたようなことを、孫社長自ら約束して実行するソフトバンクに好感はもっている私だが、自分の「電話機」をソフトバンクにするとなると考えてしまう。

一方、auの「データ端末」には大いに不満がある。ソフトバンクはiPhoneだけでなく個性的なスマートフォンを発売してきた。docomoはExperiaやHT03AのようなAndroid携帯に力を入れている。これに対して、auにはiPhoneやExperiaに対抗できるモデルがない。鳴り物入りで登場したISシリーズには全く魅力を感じなかった。

「電話機」と「データ端末」で2台分の料金を払うのは、費用対効果を考えると難しい。となると、ソフトバンクでiPhone一本にするか、docomoでExperiaにするか、の選択肢が考えられる。

しかし、ソフトバンクの「電話機」はなんとなく不安だ。そもそも自分はスマートフォンを気に入って長く使うのだろうか。やはり「電話機」と「データ端末」は別にするべきか。いや、それでは回線料金が二重にかかる…というわけで、考えはぐるぐる巡りになるのだった。

(続く)

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