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シリコンバレー見聞録―その11 シリコンバレーの底辺とは?「HackerDojo」

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 昨年に続き、シリコンバレー見聞録の続編をスタートさせたいと思います。シリコンバレーと呼ばれるベイエリアはまさにデジタルビジネスやオープン・サービス・イノベーションのメッカです。既知の話から日本ではあまり知られていないコトまで。このコーナーで少々連載したいと思います。

■日本文化へのリスペクトか!?

古くからシリコンバレーの動向に詳しい米Just Skillの山谷 正己さん曰く、

 "柴崎さん、今日はシリコンバレーの底辺をお見せしますよ"

と言われ、シリコンバレーの「Hacker Dojo」を案内してくれました。

HackerDOJO1.JPG《入り口は結構立派な低層階のビルの1階》

 Hacker Dojoは、2009年に設立されたギークなエンジニアのための非営利コミュニティです。最近流行のコ・ワーキングスペースともいえますが日本のショールーム的な場所ではありません。決して華美な装飾はなく、実利を重んじているように感じます。未だスポットライトを浴びていないエンジニアや起業家たちが活動するための必要な設備が整っています。あのRubyのまつもとゆきひろ氏も講演したことがあるそうです。また、かつては、ここのDojo主がFaceBookにハンティングされたこともあるらしい。

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《決しておしゃれではない実用的な施設》

 Hacker Dojoのあるマウンテンビューは、Google本社やMicrosoft、Simantec(本社)、LinkedInなど、数多くのスタートアップが拠点を置く。ここで腕を磨いたエンジニアやアイデアを形にした企業家が既に数多く旅立って行っているという。有名な話では「Apple Watch」よりも先に商品化されたウエアラブル製品である「Pebble Smartwatch」を生んだ米Pebble Technologyがある。 ソーシャルメディア「Pinterest」の共同創業者たちもここで出会ったという。

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《この手の施設にありがちなパイプむき出しの天井》

 "道場"というネーミングや"鳥居"のマークに加え、壁画には"ガンダム"が。ファーストガンダム世代にはとても嬉しい。創設者たちはよほど日本びいきらしい。そもそも「Hacker Dojo」の"Dojo"は「道場」のことでアメリカでは柔道、剣道など、日本古来のスポーツもよく知られていて、Dojoという言葉は既に英語でも通用するらしい。同じように英語で通じる言葉に"カイゼン"もあるが、これもAgile開発やリーンスタートアップの世界ではリスペクトされた概念だ。

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《海外の人がイメージする日本はこんな感じなのだろうか》

 Agile開発の世界では、ペアプログラミングが有名だがその象徴とも言える卓球台も完備されていた。プログラム開発に疲れたメンバーが息抜きに軽快なラリーを繰り広げていた。

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《もはやエンジニアの道場で卓球台は必須のアイテムに》

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《簡素だが簡単なキッチンも準備されている》

■ファイティングポーズが取れれば誰でもいつでも挑戦できる

 日本では、イノベーションやデジタルビジネスと言うと若者の特権のような雰囲気はないだろうか。他のコ・ワーキングスペースや様々なMeetUPの会場で感じたことは、年齢に関係なく(むしろ年配者が結構目に付く)活動していることだ。イノベーションに年齢は関係ない。

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《写真右手のMacBookの男性はどう見ても60前後か》

HackerDOJO9.JPG《奥のほうにはプロジェクトに貸し出す個室も完備されていた》

■誰でも自由に出入りできるオープンな環境

 実は、「Hacker Dojo」と我々の仲間が運営する「FUJITSU Knowledge Integration Base PLY(プライ)」は、大きな共通点がある。それは誰でも自由に出入りできること。「Hacker Dojo」も「PLY」も会員制スペースでは得ることのできない情報やネットワークを獲得することが可能なのです。このオープンさは共創の時代にはとても大切な要素であるような気がします。

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《様々な求人がアナログな掲示板に張り出されていることも象徴的だった》

(つづく)

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