シリコンバレー見聞録―その9 おしゃれなIoTブティックBe8Ta
ビックデータと、身の回りの製品がデータを送受信する「モノのインターネット」(IoT)は、間違いなくビジネスと社会に革命を起こすと言われています。我々KNOWLEDGE INTEGRATERは、このような新たなビジネスチャンスにデジタルビジネスをどう乗りこなせばよいのか?
「b8ta(ベータ)」は、パロアルトのAppleストアのそばにあるIoT関連のショールーム。店構えや内装は、ITや電気というよりは、どちらかと言うと東京の青山や表参道にあるアパレル関係のお店をイメージしたおしゃれな施設でした。
《表参道のようなお洒落な通りに面したスタイリッシュな店舗》
リアル世界のGoogle AdSense
この店舗のユニークなところは、単にお洒落なだけではない。今までにないユニークなビジネスモデルの実験場となっているところにある。シリコンバレー在住の渡辺千賀さんの表現を借りると、"リアル世界のGoogle AdSense"だという。つまり、紹介されているIoT商品の前に何十秒か立つとベンダーに課金される仕組みらしい。人がどの程度その商品を見ていたかは天井についているカメラで検知するというのだ。ビジネスとして成立しているかは別として、なるほどそんな手があったのかという感じ。
様々な生活シーンのIoTグッズが並ぶ
外出時のアイテムがIoT化されたものも多数展示されていました。シスコは、IoTと呼ばず、IoE(Internet of Everything)を提唱しているが、まさに何でもインターネットにつながるイメージ。
《自転車やスケートボード、スーツケースなど外出時のモノとの連動》
いわゆるスマートハウスの世界。家庭の中でも様々なモノがインターネットに接続される世界
《おなじみドアの開錠やホームWifiに加えペットの監視まで》
スターウォーズ/フォースの覚醒でおなじみの「BB-8」は、実はアメリカの Orbotixが製造・販売を行っているボール型のデバイスの"スフィロ"がベースになっている。"スフィロ"は、スマートフォンとはBluetoothで接続し、アプリを使ってデバイスを操作することができるというもの。
また、知人の高萩さんが大阪イノベーションハブで開催されたハッカソンをきっかけに事業化したMoffBandも展示されていた。妖怪ウォッチを抑えてAmazonの電子玩具部門でも一位になったことのあるスマート・トイ。MoffBand誕生秘話は、代表を務めるあしたのコミュニティーラボのこちらの記事をご覧あれ!
《いわゆるスマート・トイの"スフィロ"と"MoffBand"》
いつの時代もそしていくつになっても体験型は面白い。
《ゲームと連動した体験型のスマート製品に加え、あのOculusも展示》
健康管理もスマートに行う時代
《ヘルスケア関連のスマート製品》
大切な人への料理もIoTがサポートする時代になるかも。
《キッチン関連のスマート製品》
接続機能を持つスマート製品の4つのステージとインテグレータの役割
マイケルE.ポーターによると接続機能を持つスマート製品には以下の4つのステージがあるという(HBR2015/4 IoT時代の競走戦略)。
- モニタリング(Monitoring:製品の状態、外部環境を総合的にモニタリング)
- 制御(Control:製品を制御し、ユーザーエクスペリエンスのパーソナル化)
- 最適化(Optimization:製品性能の向上、予防診断、サービス、修理)
- 自律性(Autonomy:製品の自動運用、他製品との自動的な連携、自己診断と修理等)
専門家に言わせると現在の日本企業の大半は、「1.モニタリング」の段階に甘んじているという。一部のロボットを扱う企業は「2.制御」の領域まで来ているらしい。まだそんな状況なのでビジネスはこれから本番を迎える。
われわれKNOWLEDGE INTEGRATERは、自社の製品だけでなく、世の中に流通する様々なIoTデバイスを理解し使いこなさなければならない。組み合わせは無限大で新たなサービスの可能性は拡がる。このようなIoTデバイスを日常的にいじれる環境も必要かもしれない。
(つづく)