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サービス化時代の潮流、ビジネスモデルを探る。週末はクワッチ三昧!

コトづくり百景 〜史上初!食べる雑誌「東北食べる通信」

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04シリーズでご紹介している「コトづくり百景」。暫し本業に忙殺されていましたが、久しぶりに更新です。本日ご紹介したいのは、特集記事とともに、彼らが収穫した自信の一品をセットで届けるというユニークなコトづくりで注目を集める「東北食べる通信」毎月1回、独自の哲学でおいしい食べものを作り続ける東北各地のスペシャリストたちにクローズアップし、食べ物(モノ)と生産者と生活者の交流(コト)のコラボレーションを実現しています。

読むだけでなく味わうことができる!

2013年7月に創刊した「東北食べる通信」は、月額1,980円の定期購読サービスです。会員に毎月届けられるその情報誌には、作り手の拘りの記事が満載。しかも、Webサイトでのリアルタイムの情報提供(下記)に加え、Facebookの会員ページ(約800人が参加)で作り手と直接交流ができる仕掛けも持っています。

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さらに、この「東北食べる通信」を発行するNPO法人東北開墾では、個別の作り手との交流を深めていくための、新しいサービスも展開しています。それはCSA(Community Supported Agriculture)と呼ばれ、前払い・年額制の会費によって、生産現場の天候リスクなどをシェアすることで、作り手が市場価格に振り回されずにこだわりの食べもの作りに取り組める環境をサポートすることができる仕組みです。

また、生産現場を訪れるツアーや、作り手が会員に会いに来る東京でのイベントも開催され、年一回程度開催される「CSAミーティング」では、作り手や会員同士が一緒に生産現場の課題解決やよりよいサービスを検討できるようになっています。これは、一次産業の共創事例としても大変興味深い取り組みです。

落選を機に一念発起してNPO法人を立ち上げる

「東北食べる通信」の発行人でNPO法人東北開墾代表理事・高橋博之さんは、岩手県花巻市出身。大学進学をキッカケに東京で生活を始めるもつくられた社会や暮らしを受動的に生きるライフスタイルに飽きて30歳で帰郷。一念発起して地方議員に当選。

そこで目の当たりにしたのは、食べものをつくっている生産現場が高齢化・過疎で疲弊していく姿。さらに岩手県知事へのチャレンジでは、「これからは農山漁村にこそ希望の種をまいていかなければならない」と訴えましたが、落選。これを機に口で言っていたことを、今度は実際に手と足を動かしてやってみようと思い、2013年に「東北食べる通信」を発行するNPO法人「東北開墾」を立ち上げたという。

そして日本食べる通信リーグへ

産地の拘りの食べもの付き雑誌というコンセプトは既にマーケットに受け入れられ、各種メディアで取り上げられるほか、4ヶ月で1,000名を超える継続購読会員を獲得し、東北に限らず、他の地域からも同様のモデルの展開と協働の声があがったという。

そこで新たに立ち上がったのが「リーグ制」という形式。本部がルールを決め現場がそれに従って経営するフランチャイズ方式と異なり、各地で食べる通信を展開する加盟団体の代表者が集って、全体のルールや運営方針を決定していく新しい共創の仕組みです。


YouTube: 日本食べる通信リーグ

このリーグ制では、既に四国や北海道の食べる通信が立ち上がっています。農家さん、漁師さん、酪農家さんや食べものの物語を発信し、作り手と生活者の絆を取り戻す取り組みが全国に拡がり始めています。

モノ(食べ物)を介して新しいコト(生産者と生活者のコラボ)が産まれる

昔は、畑の脇で人参や大根など野菜の直接販売が行われ、農家の人に拘りの野菜にについていろいろ話を聞くこともできました。生産者から卸売りを経てスーパーやコンビニなどの小売で販売される仕組みは、生活者の我々には一見便利なようで実は、このような生産者との交流の機会を奪ってしまっていたのかもしれません。

第1次産業の6次産業化、言い換えればサービス化(コトづくり)は、今後も加速しそうです。

(つづく)

 

 

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