いまなぜ、「コトづくり」か? 〜「社会の変化」を考える③〜
いまなぜ、「コトづくり」なのか?このブログでは、「コトづくり」が必要とされる背景について「企業」「個人」「社会」の変化から考えています(いまなぜ、「コトづくり」か? 〜「企業」「個人」「社会」の変化から考えてみる〜)。
前回のブログ(社会の変化②)では、社会」の変化に見られる「超高齢化社会」について紹介しました。今回は、「社会」の変化に見られる「サスティナブルな社会−ロハス」と「社会プラットフォームの変化−第三のメデイア」について考察してみたいと思います。
サスティナブルな社会とは、持続可能な社会のことで、「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」という3つの要素が組み合わさった社会のことを指します。
- サステナブルな社会の実現
まず、「低炭素社会」とは、二酸化炭素の排出量をできるだけ少なくした社会のことで、太陽光、風力、水力などの自然エネルギーを使うようにしたり、緑を増やしたりして、二酸化炭素をなるべく出さないように心がける社会のことを指します。
そして「循環型社会」とは、ゴミの量を減らして、限りある資源を繰り返し使えるように工夫する社会のこと。これは、よく“3R”という言葉で表現されます。“3R”は、「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」の頭文字を取った言葉です。リデュースは物を大切に使い、ごみを減らすことであり、リユースは使える物を繰り返し使うこと、リサイクルはごみを資源として再び利用することです。循環型社会とはまさにこの3Rを守る社会だと捉えることができます。
そして、「自然共生社会」とは、人も含めた地球上のすべての生き物が自然の恵みを受けながらずっと生きていける社会のことを指しています。
これらをすぐに実現するのは非常に難しいことかもしれませんが、たとえば、スーパーのレジ袋を断ってエコバッグを使うようにするライフスタイルにするだけでも、循環型社会に取り組んでいることになります。言ってみればこれも小さな「コトづくり」と言えるのではないでしょうか。小さなことでも、毎日続けていくことがサステナブルな社会実現のためにはとても大切な取り組みとなります。
そんなサステナブルなライフスタイルを実践する方法のひとつに、「ロハス(LOHAS)」という考え方があります。ロハスとは「Lifestyle of Health and Sustainability(ライフスタイル オブ ヘルス アンド サステナビリティ)」の頭文字を取った言葉で、日本語に訳すと“健康的で環境にいい、持続可能なライフスタイル”、という意味になります。環境をにいい生活をするだけではなく、自分たちも健康で快適な生活をしたい、という考えを持った人たちが中心になって、世界中に広がっていった考え方だと言われています(参考:花王株式会社環境講座)。
- 第三のメディアが社会を変える
クラウドやスマートデバイス(スマートフォンやセンサー)が社会のプラットフォームとして普及していることは、周知の事実ですが、やはりソーシャルメディアの普及が「コトづくり」の背景として一番見逃せないトレンドだと考えています。
ある調査によると2013年9月現在、実に11億人もの人がフェイスブックに加入しているという。これは、地球上の約6人にひとりが利用していることになります。日本でも1300万人、対人口比はついに10%を超えています。
2004年にハーバード大学の学生向けのサービスからスタートした学生名簿を起源とするこのSNSは、いまや単に学生のためのコミュニケーションツールとしてだけではなく、社会のコミュニケーションインフラに変貌しています。ちょうど日本では、ミクシィーやグリー、アメーバブログなどが誕生した年です。
アラブの春と言われる中東各国の革命のコミュニケーションインフラとしてフェイスブックが活用されたことは周知の事実です。あのオバマ大統領が、大統領選で活用したことで一躍有名になりました。オバマ氏は、フェイスブックに限らず、ツイッターやユーチューブ、ユーストリーム、フリッカーなどさまざまなソーシャルメディアを活用しています。
実は、日本では、フェイスブックよりも先にツイッターが普及しました。140文字という短い文章のつぶやきでコミュニケーションする、マイクロブログとも称されるこのサービスは、その即時性や拡散性といった特徴から日常でのコミュニケーションではもちろん、3・11など災害時にその威力を発揮しました。
現在、2億人を超える人々が全世界で利用していると言われているツイッター、意外かもしれませんが先日ついに上場し、今後もその動向が注目を集めています。
また、アジア発のSNSとしては、LINEが注目を集めています。LINEは韓国NHN傘下の日本法人LINE株式会社が開発したメッセンジャーアプリで、家族や親戚と連絡を取ろうとする東日本大震災の被災者の映像を見て発案されたといわれています。韓国本社ではなく日本の子会社でLINEが開発されたのは、規模が拡大した本社の代わりに、小さな組織の速やかな意思決定力と集中力を活用するためだったと言われ、技術経営(MOT)の観点でも非常に興味深い取り組みです。今一番ホットと言う意味では、LINEがダントツで、今後どこまで利用者が増えるか注目していきたいと思います。
さて「コトづくり」の背景として「企業の変化」「個人の変化」「社会の変化」の視点から様々な視点から考察して来ました。まだまだ、追加したい変化(例えば、学び・教育など)もありますが、別の機会に譲るとして次回以降は具体的な事例を中心に「コトづくり」の本質に迫ってみたいと思います。
(つづく)