「不課税」と「非課税」の違いをご存じですか?
1月末・・・
緊急事態宣言で非開催になった研修がありました。所定のルールに従って、お客様からキャンセル料を頂戴することになり、その請求書を書いているときに色々調べたら
ということがわかりました。
で、請求書を作成する際、課税対象にならないように設定しようとしたら、私が使っている請求書作成ソフトの設定の中に、「不課税」と「非課税」と両方の設定があったんです。
はて?この場合は、どっちの設定が正しいんだろう・・・
見た目上は両方とも課税対象にならないんだから、どっちでもいいようなものです。しかし設定が2つある以上、何らかの使い分けが必要なんでしょう。いったい、どういう意味なんでしょう。
「不」と「非」の違い
そもそも、「不」と「非」は明確に意味が異なります。(広辞苑)
不 : 打消・否定の意。
非 : よくないこと。道理にあわないこと。不正。(非を認める、非行)
うまくゆかないこと。(非運)
そしること。(非難)
そうでない意。(非常、非凡)
ううう、「非」の説明の中に「不正」がある・・・
しかも、「否定」と「そうでない」は何が違うんだ・・・
考えるに、
不は単なる否定
非は本来の状態、または望ましい状態になっていないこと
という意味のような気がします。だから、本来行われるはずだった研修が行われない場合は「非開催」です。きっと、最初から開催する予定がない研修のことを言う場合は「不開催」が正しいのでしょう。
「不課税」と「非課税」の違い
そのように考えて、「不課税」と「非課税」について考えを掘り下げます。
「不課税」は、そもそも最初から課税対象になっていないもの。例えば寄付はそもそも最初から課税対象になっていないので、不課税です。
一方「非課税」は、本来ならば課税対象なんだけど、何らかの理由で課税しないよ、と決めたものをいうようです。例えば宝くじの当選金は所得です。所得だから本来は所得税の課税対象になるはずなんですが、「当せん金付証票法」によって、宝くじの当選金は課税対象ではない、と決まっているため、所得であるにも関わらず所得税を払う必要はありません。したがって、非課税です。ただし、「7億円あたったからあなたに1億円あげるよ」と太っ腹なことをしたら、贈与税がかかります。
と考察していたら、ここに詳しく説明してありました。ちゃんちゃん。
するってぇと、キャンセル料は・・・
国税庁のWebサイトによると、今回のキャンセル料は「逸失利益に対する損害賠償金としてのキャンセル料」ですから、
資産の譲渡等の対価に該当しないため課税の対象となりません。
という説明に相当することになります。対価に該当しない、ということは、そもそも消費税課税の対象ではない、ということです。ということは、不課税、ですね。
ああ、ややこしい。
いや待てよ。仲が悪いよりは良いにこしたことはない。けど、仲が悪いことは「非和」といわずに「不和」といいますね。例外もあるってことか、それとも「仲が悪いよりは良いほうがいい」と思うこと自身が単なる思い込みか・・・
考えれば考えるほど、日本語はややこしいです。ここが、自然言語と人工言語との大きな違いですね。
おまけ
今回この記事を書くために色々調べていたら、「不運」という言葉と「非運」という言葉があることに気づきました。えー。
不運 : 運の悪いこと、ふしあわせ。非運。
非運 : 運命がふさがって開けないこと。ふしあわせ。不運。
(広辞苑)
ふうん。@_@