Microsoft Teams にある意味 "鬼畜" な一面を見た! ~「重要」と「緊急」について~
最近、弊社の研修における一番のハヤリが、インバスケットという手法を用いて行う一連のシリーズです。2020年度の弊社研修実施案件数 Top10 のうち、インバスケット関連の研修が2つ入っています。
そんなインバスケットの教えは数多くありますが、私が最も共感し、研修の中で声を大にして申し上げているのが、「緊急度に惑わされないでね」ということです。
優先順位は 「重要度」 と 「緊急度」
課せられた仕事すべてを全力でやり遂げて、まだ時間や労力に余裕があるなら幸せです。すべての仕事を本当に一生懸命やればいいのですから。しかし、多くの場合はそんな余裕がありません。限られた時間や労力の中で最善を尽くすには、仕事にちゃんと優先順位をつけ、メリハリをもって仕事をする必要があります。
簡単にいうと、
- 優先順位の高い仕事にはより多くの時間を割り当てたり、真っ先に取り組んだりする
- 優先順の低い仕事は後回しにしたり、誰かに頼んじゃったり、いっそのことやらないと決めたりする
ということをやりましょう、ということです。
仕事の優先順位の決め方
で、「どうやって仕事の優先順位を決めるか」という話をすると、最も有名なのが「重要度と緊急度を使って判断する」というやつです。重要度も緊急度も高い仕事を最も優先するわけです。
ただ、緊急度というのはわかりやすい(期限が迫っているものほど緊急度が高い)んですけど、重要度というのはわかりにくい。私が考える「重要」とあなたが考える「重要」が違うかもしれませんからね。何をもって重要とみなすか、というのは、実はとてもブレるんです。
「重要度」の大切な定義
そこで、重要度のブレにくい定義が必要です。ここが大事。何をもって重要とみなすか、というやつです。インバスケットでは、「その仕事をしなかったらどうなるか、と考える」んです。その仕事をしないことによってどんな悪影響があるか、何を失うか。その悪影響の度合い、失うものの度合いが大きければ大きいほど重要、と考えます。
言葉遊びですが、
やるべき仕事 : やると大きなメリットやリターンがある仕事
やらなければならない仕事 : やらないと多大なる悪影響が発生する仕事
です。
「やるべき仕事」とは、やるかやらないかを決められるんだったら絶対にやるほうが良い仕事、という意味です。一方「やらなければならない仕事」は、選択の余地がありません。やらないと大変なことになるんですから。「やるべき仕事」と「やらなければならない仕事」を明確に区別しましょう。重要度の高い仕事とは「やらなければならない仕事」です。
「緊急度」に惑わされるな
インバスケットにはもうひとつ大切な知見があります。
重要度が高くて緊急度が低い仕事を優先しろ、ということです。
重要度が高い仕事をほったらかしておいて、勝手に重要度が低くなる、ということはまずありません。しかし、その仕事を放っておくと、やがて期限が近づいてきて緊急度が高くなります。重要度も緊急度も高い状態になると、その仕事をやるのに十分な時間や余裕がなくなり、やっつけ仕事になってしまう可能性があります。
一方で、緊急度が高くて重要度が低い仕事をほったらかしておいても、重要度が高くなることはまずありません。重要度が低いということは悪影響が小さいということですから、期限を少しぐらい過ぎても「ごめんなさい!」で済みます、たぶん。ただ、いつもいつも期限を守らないでいると信用を失うという重要度の高いことになりかねないので注意しましょう。
重要度が高くて緊急度が低い仕事 と
緊急度が高くて重要度が低い仕事 とだったら
重要度が高くて緊急度が低い仕事 を優先しましょう
というわけです。
で、タイトルの話
このような内容の研修を何度も何度もやらせていただいているのですが・・・
つい最近、あのT中さんから「仰天ニュース!」って教えてもらったのが、Fecebook 上のこの記事です。
念のために、仰天したところを引用すると・・・
【 Microsoft Teams:重要 / 緊急の違いは?】
メッセージを送る際に選択できる配信オプション「重要」と「緊急」。
「緊急」マークは送信相手に 2 分間隔で繰り返し通知が送られますが、
「重要」は繰り返しの連絡はいきません。
タイミングに関わらず " 注意して見ておいて欲しい " ときは「重要」が、" 急いで見て欲しい " 場合は「緊急」が便利です。
私、緊急度に惑わされるな、と言いましたよね?
Microsoft Teams の「緊急」は、否応なしに相手を惑わせてしまうようです。だって、2分間隔で追い立てられるんですよ。
しかも、「重要」のほうが控えめだという・・・
これ、明らかに優先順位を見誤らせるぞ。