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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

15. なぜ、新入社員研修を行なうのか?

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4月に突入しました。

なんと、不肖わたくし、今年でインストラクタ歴まる25周年、この4月から26年目に突入します。
それもこれも、みなさんのおかげです。本当にありがとうございます。

さて、4月からしばらくの間は、いわゆる新入社員研修で飛び回ることになります。
今週(4月5日週)だけでも2社に行ってまいりました。1社は情報処理試験対策、もう1社は、このあとに述べる「FESTA」を実施しました。

弊社の新入社員研修の一番のウリは、この「FESTA」です。「FESTA」は、Fresh Engineers' Start-up Training course for All(全若手技術者のためのスタートアップ研修)の略で、主に新入社員の方々を対象に、3つのことを学習することを目的として作成したものです。その3つのこととは、次のとおりです。

  1. 基本的なビジネスマナー、電話応対、客先訪問
  2. ビジネスパーソンとして、会社(組織、チーム)で働くことの意味
  3. 経費をかけて売上を上げ、利益を出すことの疑似体験

実は「FESTA」はバクロニムで、楽しく学んでほしいという願いから先に「FESTA」という略語が誕生し、それに無理やり(?)意味づけを行なったものです。でも、名前は大事ですよね。

CraftBook1.JPGさて、特に3に関しては、オリジナルの「CraftBook(クラフトブック)」という、ペーパークラフトのノートPCを実際に作っていただく演習を行ないます。ペーパークラフトのノートブック型PCなので、CraftBookです。ゆくゆくは登録商標とりたいな。できるかな。

CraftBook3.JPGさてこの CraftBook、それ自身はPCの構造を単純化した構造になっています。筐体、マザーボードのようなもの、キーボード、CPU、メモリ、ハードディスク、DVDドライブ、バッテリー、そして液晶ディスプレイから構成されています。FESTA と連携しなくても、これ単体で PC の構成をとっても簡単に学べるようにも作られているのが特徴です。組み立てた後もキーボードははずれるようになっていて、ちゃんと中身が見えるんですよ。メモリモジュールは、最大2枚まで挿すことができます。

CraftBook2.JPG受講者の方々には、まず「どのような構成のPCを作るか」ということを、お客様のご要望を元に提案していただきます。その上で、その提案に即したPCを作っていただくわけです。その時に重要になってくる考え方が「経費」。経費は大きく固定費と変動費に分けられます。固定費として用意しているのが、作業用の机、はさみ、のり、定規 などの備品代です。固定費は、本来は建物の家賃のような「毎月固定でかかるもの」なのですが、この演習は1回こっきりなので、こうした備品の購入を固定費として扱っています。一方変動費の代表は、なんといっても材料費です。筐体、キーボード、CPU、メモリなど(の紙)を、必要に応じて仕入れていただくのです。万が一それらを切ったり貼ったりするのに失敗した場合は、同じ材料(の紙)をもう一度仕入れていただきます。固定とも変動費とも言えるのが、作業する人たちの人件費です。人件費は最初に組み込まれますが、想定時間内にPCを組み立てることができなかった場合、残業を申請することができます(残業申請は却下されることもあります)。しかし、残業すればそれだけ残業代が経費として発生するわけです。こうして作成したPCが一定の品質基準をクリアすれば納品となり、売上が上がるわけです。

さて、この研修、弊社が実施するだけでなく、やりかたを伝授して内製化していただくことも可能ですよ~。みなさんも、いかがですか?

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ええと、こほん。今回のブログのテーマは、FESTA の宣伝ではありませんでした。「なぜ、新入社員研修を行なうのか」、ですね。多くの会社で新入社員研修が行なわれています。新入社員の人数や会社の規模、仕事の内容などの理由で新入社員研修を行なわない会社もありますが、新入社員研修を行なうか、行なわないか、ということが重要なのではありません。大切なのは、新入社員研修を行なう際に、「なぜ、新入社員研修を行なうのか?」ということを強く意識していただきたいと考えています。これは新入社員研修を行なう人事部の方々にも、担当講師にも、受講者にも意識していただきたいことです。

私は、新入社員研修を行なう理由は次の3つである、と考えています。

  1. 学生からビジネスパーソンへの意識転換
    最も重要なのはこれです。今までは、自分や養育者の方がお金を出して勉強してきました。
    しかしこれからは、お客様からお金を頂いて勉強させていただくのです。
    タダでお金を恵んでくれるお客様は、残念ながらほとんどいません。お客様は、そのお客様がやりたいと思っている目的を達成するため、あるいは抱えている問題を解決するため、製品やサービスを購入し、その対価としてお金を払うのです。ビジネスパーソンは、自分たちはなぜお客様からお金を頂けるのか?自分たちはどういう価値をお客様に提供しなければならないのか?ということを常に意識しなければなりません。その意識を持ってもらう場が、新入社員研修だと考えています。(もちろんこれは新入社員研修だけに限ったことではありません。現場に配属されてからのほうが強く意識できることでしょう。しかし、人事部の方々や研修の担当講師も、研修の中で常に言い続けなければならないと考えています)
  2. 仕事に最低限必要なスキル(知識や技術)の習得
    実はこれは3番目に重要なことなのですが、説明の都合上、2番目に挙げました。
    どんな業界でも、その業界特有の知識や技術が必要です。その知識や技術をスピーディに、体系立てて教えることができる唯一のチャンスが、新入社員研修です。
    とはいえ、新入社員の方々が即戦力になれるほどのしっかりとした研修カリキュラムが組める会社はまれです(時々そんな会社にお目にかかって、脱帽することもありますが)。正直、1か月や2か月の新入社員研修の期間で、(いくら最低限のレベルでも)業務に必要な知識や技術がそう簡単に身につくものではありません。反復練習が必要でしょうし、実際に業務をやってみて、ああ、こういう時にこういう知識が必要なんだな、とわかることでしょう。ですからこれは、3番目に重要なことなのです。
  3. 勉強のしかた の習得
    実は「スキルの習得」よりも重要なのがこっち。どんなビジネスパーソンであれ、定年退職の前の日まで、ずーっと日々勉強し続けなければなりません。これから40年前後のビジネスパーソン生活を支えるのは、「どうやって勉強するか」ということです。やがて、自分流の勉強のしかたを身に付けるでしょう。しかしそれまでのいわゆるスタートダッシュの部分は、新入社員研修において「こういうふうに勉強するんだ」というやりかたを身に付けていただく必要があります。この「勉強のしかたを教える」というのが、新入社員研修にとって非常に重要な要素を占める、と考えています。

特に、新入社員研修の担当講師の方々へ。新入社員研修は、上記の 2. だけのものではありません。人によって、習熟のスピードはまちまちです。なかなか目が出なくて、ある日突然ニュニュニュニュッと伸びる人もいます。それは、学習内容を真に理解した時 & 学習のしかたが分かった時 です。根気よく、付き合っていきましょう。

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