7. 顧客満足度の向上とリーダーシップとの関係
前々回、「5.顧客満足度向上は誰のため?」でお話した通り、私は、多くの企業が顧客満足度の向上を謳っているのは「売上を上げ続けるため」であると考えています。
では、顧客満足度を高めると、具体的にどうなるのか?私は、次のふたつの効果が期待できる、と考えています。
- その顧客がリピーターになってくれる
- その顧客が他の顧客を連れてきてくれる
1.はわかりやすいですね。その顧客の満足度が上がれば、その顧客は次回もまた我々から買ってくれます。しかし人間の欲望は恐ろしいもので、望みは徐々に徐々に高くなっていくんです。今まで満足していたレベルでは、それに慣れてしまったらもう当たり前になってしまって、満足しなくなる。だから「顧客の高まる期待をどんどん叶え続ける」か、または「顧客の期待を、顧客がそれと感じない程度に冷ます」かのどちらかをしていかなければなりません。
例えば千葉県の夢の国では、年間300億円以上もの投資をして、アトラクションやショー、季節の出し物の企画をし続けています。「永遠に完成しない遊園地」と定義づけられた意味はそこにあります。その一方で、アトラクションに一刻も早く乗りたいゲストに対して「このアトラクションは90分待ちです」という表示を出して、高まりすぎるゲストの期待を上手に冷ましています。
次に重要なのは2.です。特に最近では「口コミサイト」のおかげで、満足した顧客は間接的に別の顧客を呼んでくれます。もちろん直接的に宣伝してくれることもあるわけです。
。させ続ける必要があるのです。一度きり満足させたらそれで終わり、ではありません。
と同時に、その努力は企業だけではなく、従業員ひとりひとりが心がけている必要があるわけです。でないと経営幹部がいくら「顧客を満足させ続けろ」と言っても、従業員の人たちは「笛吹けど踊らず」の状態になってしまいますからね。
残念ながら我々の大半は(私も含めて)聖人君子ではないので、自分の幸せを犠牲にしてまでも他人に尽くすことは難しいです。つまり、他人に尽くすことの幸せが、自分の幸せに直結していないと、他人を満足させ続けることは難しい。
やっと本題。リーダーと呼ばれる人たちは、そのリーダーが率いるチームのミッションや達成目標を、メンバの幸せに直結させる必要があります。チームのミッションを達成することと、メンバが幸せになることがイコールになるよう、メンバのモチベーションを高めていかなければなりません。これは、メンバひとりひとりが考えている「自分にとっての幸せ」を理解し、その幸せとチームの成功とを結びつけて考え、メンバに言って聞かせる必要があるというわけです。
ただ「仕事だからやれ」と言ってもパフォーマンスが上がらないのは、こんなところに原因があるのかもしれません。