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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

違憲に意見

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今日、私の理解を超えるニュースを耳にしました。

まず、詳しくはこちらをごらんください。

早い話が、「自衛隊のイラク派遣は、その活動の一部が憲法に違反する」と名古屋高等裁判所が判断した、というものです。

私はこのニュースに詳しくないし、この判断そのものを直接語るのはふさわしくないと思うので言及は避けますが。

気になったのは、次の一文です。

   自衛隊のイラク派遣差し止めについては棄却した。

つまり、「憲法に違反しているけれど、イラク派遣はそのまま続けていいよ」と言っているわけです。

これって、普通の常識に照らし合わせておかしくないですか?

憲法と法律とは違うと思いますが、これって例えるならば

 谷は先日泥棒をした。これは法律に違反する行為である。
 でも、盗んだものは返さなくていいよ

と言っているのと同じではないか?と感じたのです。

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さらに理解できないのが、政府の人たちの意見です。「裁判所の判断は遺憾だ」とおっしゃるのはまだ理解できるのですが

 町村信孝官房長官と石破茂防衛相、高村正彦外相は18日午前、
 「武力行使の解釈で裁判官はどこまで実態が分かっているのか。裁判所には誤りがある」
 との認識で一致、空輸活動を継続する方針を確認した。

とお話になったそうです。さらに「空自の活動継続に何ら問題はない」ともおっしゃったとか。

政府が裁判所の判断を無視していいのですか?もしそうなら、一般市民だって、民事訴訟や刑事訴訟での判決・判断を「裁判所は間違っている」と無視してもいいことになるではないですか。

私は、この裁判所の判断が正しいか間違っているかを議論するつもりはありません。

私がどうしてもわからないのは、次の2点です。

  1.裁判所は憲法違反を認めて、なぜ改善を要求しないのか。

  2.政府は裁判所の判断をなぜ平然と無視できるのか。無視してもいいのか。

私はどうしても理解できません。どなたか私に(この判断に賛成、反対はおいといて)説明してください。

Comment(8)

コメント

Toms

こんにちは。
>私はこのニュースに詳しくないし、この判断そのものを直接語るのはふさわしくないと思うので言及は避けますが。
判例は、経緯を理解しないとなかなか判断できないものなのです。

>これって、普通の常識に照らし合わせておかしくないですか?
大体以下のようなイメージになるかと思います。
原告:平和に生きる権利に被害を受けたから派遣止めて(違憲だから止めろじゃなかった筈)
裁判官:派遣されたからといって、被害を受けたわけじゃないでしょ?被害が存在しないから棄却。でも違憲だと思う。

>政府が裁判所の判断を無視していいのですか?
判決そのものではなく、でも違憲だと思うよ、と注釈を入れているようなものみたいです。(特に強制力は無いようです)

私もなぜこういう経緯になってるのかはよく分かりません。
もっと詳しい解釈はそのうちでてくると思いますが簡単に書かせて頂きました。

谷 誠之

Tomsさん、コメントありがとうございます。

なるほど、結論だけが一人歩きすると怖いですね。
やはり、そこに至るまでの経緯をちゃんと理解しておかないといけませんね。解説ありがとうございます。

今回の場合、「判決」ではなく「判断」なので強制力がない、ということなのでしょうか。だからとしても、完全無視を決め込む政府の対応はどうかな、と思うんですがねぇ。

ponpon

>だからとしても、完全無視を決め込む政府の対応はどうかな、と思うんですがねぇ。
私もそうは思いますが、長年宮仕えをしていると
このようなことは数多くあります。
特に予算がらみ
このままでは、違法だし危険だといくら叫んでも
「予算が・・・・」でおしまい。でもけが人などが出ると
お金が降ってくる??

谷 誠之

ponponさん、コメントありがとうございます。

なるほど、実際に現場にいらっしゃると、もっと色々なことが見えるんでしょうか。「予算が」は伝家の宝刀、というような気もしますね。でも、予算ほどいいかげんなものはない、という感じもまたするんですけどねぇ。

koro

主文は原告敗訴です。
原告には請求権が存在しないということが結論で、それ以上の意味はありません。

違憲判断は傍論ですから、そこに法的拘束力はありません。刑事裁判における説諭と同じです。

谷 誠之

koro さん、コメントありがとうございます。

なるほど、主文は「原告敗訴」ですか。
つまり、「自衛隊のイラク派遣差し止めについては棄却した。」というこっちがメインだ、ということですね。

だとすると、怖いのはマスコミの報道の仕方ですね。「違憲と判断した」ということばかりがクローズアップされて報道されるものだから、私のような誤った理解をしてしまうことになるわけですね。

気をつけなければなりません。

ほかの方がご指摘されておられるとおり、別に政府は何も無視したり蔑ろにしたりしていません。そもそも勝訴しているわけですから。
ただ、「違憲」として貼られたレッテルをはがす方法が失われた為、裁判所には誤りがある、と主張したのでしょう。

この「レッテルをはがす方法を奪う」判決のことを俗に「ねじれ判決」っていうみたいです。
小泉元首相も大阪高裁から靖国参拝の件でやられてますね。

谷 誠之

mさん、コメントありがとうございます。
なるほど、私自身「違憲と判断した」という部分を、「違憲という判決を出した」と勘違いしたところがいけなかったわけですね。争論はそこではなくて、「自衛隊の派遣をやめてくれ」という部分であって、それに関しては「自衛隊の派遣はやめなくていいよ」という判決が出た、と。

「レッテルをはがす方法を奪う」判決、ですか。
それって例えば、Aさんは本当は痴漢なんてやってないのに

 AさんはB子さんに痴漢行為をしたかもしれないが、B子さんがあまりにも露出度の高い、
 第三者を惑わせる服装をしていたのでAさんは無罪

みたいな判決なんでしょうか。Aさんは無罪になったものの、痴漢のレッテルを貼られたままになってしまった、みたいな感じで。

判決って難しいですね。裁判員制度が導入されたら、少しは変わるんでしょうか。

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