おとなの学習
本間正人さん、といえば、私がこの世界(対人能力育成業)にどっぷりと浸かるきっかけを与えてくださった方です。幾度かメールをやりとりさせて戴いたことはあるのですが、直接お会いしたことはありません。
本間さんはご自身が設立された「学習学協会」の中で、おとなに対する学習の原則を次のように書いておられます。以下は、私の解釈も含まれていますので注意してください。
●活用の原則
成人は「いつかそのうち役立つ」学習はしません。
「さっそく使える、役にたつ」情報を求めます。
講師は、学習者の現実的な状況と学習内容とを結び付けることに注意します。
●協力の原則
学習者は権威主義的な学習の強要には服従しません。
指導者は、学習者の尊厳とプライドに敬意を払い、学習者に協力するという姿勢を貫きましょう。
学習目標の設定や学習計画の策定にあたっては、学習者の自主性を重んじるようにしましょう。
●工夫の原則
問題解決の方法はひとつとは限りません。
指導者は、学習者の創意工夫、自由な発想を引き出すようにしましょう。
●経験の原則
一人一人の学習者が持っている豊かな経験を共有し合えば、学習効果は倍増します。
自分自身の経験を絶対的なものと思うことなく、他の学習者の経験と相対化して見直す習慣を育てましょう。
指導者は、指導中に学習者の意見を問う時間を設け、学習者の貴重な意見や経験を共有しましょう。
●肯定の原則
正しいことを積極的に褒めれば、学習者の学習意欲は増します。
指導者は、学習者の間違いをいったんは肯定的に受け止めるようにしましょう。
決して頭ごなしに否定したり、批判したりしてはいけません。
これは指導者と学習者との関係についてかかれていますが、リーダーとメンバーとの間や、上司と部下との間にも同じようなことがいえるのではないかと思います。