まず、相手を受け入れる。
「まず、相手を受け入れる」---
これは、コミュニケーションの基本中の基本です。
しかし、これができていない人が、いかに多いことか。
相手を受け入れるというのは、相手の意見や考え方を素直に受け入れることです。
言い換えれば、相手の意見を素直に聞き入れ、相手を認めることです。
ただ、間違ってはいけません。「相手を受け入れる」ということは、
相手に迎合する、という意味ではありません。
相手を妄信する、という意味でもありません。
例えば、「朝食はごはんに限る!」と思っているAさんがいます。私は納豆が食べられませんが、朝食に白米と、納豆と、お味噌汁を食べるというのは、栄養学的にも大変すぐれているんだそうです(本当は玄米がいいんだそうですが)。
一方で、「朝食はパンだ!」と思っているBさんがいます。確かに朝食べるパン、スクランブルエッグ、コーヒーはとってもおいしい(様な気がします)。
BさんがAさんに、「朝食はパンに限るね」といいました。
相手を受け入れるとは、ここで(朝食はごはん党の)Aさんが「そうか、Bさんは朝食にパンを食べるのが好きなんだな」と思うことです。
Bさんが「朝食はパンに限る」と思っていることそのものは真実です。その真実を、ありのままに受け止めることこそが、コミュニケーションの最大のポイントなのです。
もしBさんの「朝食はパンに限るね」という言葉を聞いたAさんが、そのセリフを聞くやいなや「何を言っているんだ、朝食はごはんを食べると神武天皇の頃から決まっているんだ!」と反論したら、AさんはBさんの意見を「受け入れなかった」ことになります。これはAさんにとっても損なことです。即座に反応してしまうことで、なぜBさんは朝食にパンを食べることが好きなのか、という理由を聞く機会さえも失ってしまうのです。
相手をきちんと受け止めた上で、賛成意見や反対意見を述べればいい。いや、そうしないと、相手の意見を誤解したり、論議が平行線になったり、喧嘩になったりしてしまいます。
相手を受け入れた上で反対する、というのはアリなのです。
あなたの周りにもいらっしゃいませんか?
- 相手が自分と違う意見を述べ始めたら、相手が言い終わらないうちに「いや、それは違うよ」と相手の発言を阻止してしまう人。
- 相手が「昨日、釣りに行きましてね・・・」なんて話し始めたら、「私も釣りが好きなんですー」なんて、相手の話題を横取りしてしまう人。
コミュニケーションミスは、こんなところから始まるんです。