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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

思わないでください  &  気をつけてください

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今回は、相反するふたつのお話をします。

まず、ひとつめ。「断言しましょう」というお話です。
最近、プレゼンテーションの場で「~と思います」という表現を非常に多く耳にします。

 ・それでは、休憩に入りたいと思います。
 ・初めてお聞きになる方にもわかりやすく説明していきたいと思います。
 ・私○○が説明したいと思います。
  ・・・

無意識のうちに、断言することを恐れているのですね。断言すると自分に責任が生じるような気がするから。しかし、この無意識な断言しない言い方が、あなたのプレゼンテーションにどれだけ悪影響を与えていることか。

早い話が、聞き手はあなたのプレゼンテーションを無意識に「信用できないもの」、と捕らえてしまうのです。プレゼンタも無意識なら、聞き手も無意識です。識域下の思いは、その人の最終決定に深い影響を与えます。しかも本人はその識域下の思いに気づいていないから、余計に怖い。プレゼンタがどれだけすばらしいプレゼンテーションをしても、「なんか、もうひとつなんだよね」って思ってしまいます。それはプレゼンタにとっても、大変損なことなのです。

プレゼンタのみなさん、どうか

    思わないでください。断言してください。


 ・それでは、休憩に入ります。
 ・初めてお聞きになる方にもわかりやすく説明していきます。
 ・私○○が説明します。
  ・・・

のほうが、よっぽどシンプルで聞き心地がよいです。しかも、聞き手に好印象を与えます。

それに、「休憩に入りたいと思います」と言って、聞き手から「いや、そのまま続けてくれ」って言われたら困るでしょ?

プレゼンテーションの舵取りをするのはあくまでもプレゼンタです。プレゼンタは、自分のプレゼンテーションに自信をもって行ってください。そうしたら、そのプレゼンテーションはより自信に満ちた、すばらしいものになります(というか、すばらしいものになったような気がします)。

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もうひとつ。こっちは「断言されることは恐ろしい」というお話です。

私のメールアドレスには、1日に100通ぐらいの迷惑メールがきます。その中で、唖然とするメールがあったのでここに無断転載します。

------ ここから ------

★ ス ー パ ー コ ピ ー と い う 言 葉 を 聞 い た こ と が あ り ま す か ?  ★

いわゆるブランド物のコピー商品のことなのですが、スーパーというだけあり
その完成度は「本物」とまったく違いが見つからないほどのクオリティのもの
を「スーパーコピー」といいます。

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● LOUIS VUITTON (ルイ・ヴィトン)
● CHANEL(シャネル)
● ROLEX(ロレックス)
● その他多数
─────────────────────────────

すこし前にブランド品の正規代理店のショップの店頭に、
この「スーパーコピー品質」のバッグなどが混じっていたという
衝撃的なニュースがあり、世界を驚かせました。

毎日、本物の正規品を手に取り、目にしている代理店の人間でさえも
このスーパーコピー品質の商品を見抜けなかったのです。

なぜなら、このスーパーコピーは、
熟練した職人が、ひとつひとつ精魂を込めて手作りした逸品だからなのです。

工場での大量生産とは違い、1日に数個しか生産出来ず、
正規品の元クラフトマンの厳しい審査を通過した「極上品」にのみ与えられる、
プライドのS品質。

Aでも、Bでもない。
Sクラスを、あなたにお届けいたします。

------ ここまで ------

そんじょそこらのコピー商品じゃない。熟練した職人が、ひとつひとつ精魂を込めて手作りした逸品なんだ。しかも、正規品をチェックしていた人がチェックした、とってもすばらしい、価値のある商品なんだ。だから買ってくれ、と。

なるほど。

       でも、コピー商品なんでしょ?どれだけ逸品でも、犯罪なんでしょ?

ためしに、指定された URL にジャンプしてみました。公序良俗に反しますので、その URL はここには書きません。そこには、ロレックスの 315万円する時計(のニセモノ)が 39,800円で売られていました。また、そのページには、この商品がどれだけすばらしいものであるかということが力説されていました

でも、堂々と「ロレックス」とか「ルイ・ヴィトン」とかって書いてあるんです。
まだ「ロレックスそっくり」とか「ルイ・ヴィトンそっくり」とかって書いてあるなら可愛いですが、そうじゃない。ロゴマークまで、正規品と同じものを使っているのです。
明らかに意匠権、商標権、その他モロモロを完全に逸脱した、犯罪なのです。

ただ、ここまで堂々と、誇りをもって犯罪行動をとられると、中には「そうなのか、そんなにすばらしいものなのか」と思って買ってしまう人もいるのではないかと思うのです。私もまんまとひっかかって、URL にジャンプしてしまったわけです(もちろん、買いはしませんでしたが)。プレゼンテーション的に言えば、相手に影響を与えた、成功のプレゼンテーションです。してやられました。

そうか、プレゼンタが堂々と断言することによる聞き手への影響は、ここまで大きいものか、と再認識しました。  

    世の中のみなさん、断言する人には注意してください。

プレゼンタと聞き手、どっちの味方やねん?という内容ですが・・・
私の言いたいことは、伝わりましたでしょうか???

Comment(2)

コメント

ぶん

谷さん、楽しいネタをありがとうございます。
プレゼンテーションのセミナーでは「思わないでください」と私も話しをしています。ところが、いざ自分が話をしているときは時々、出ているのです。恐いですね。
逆に断定されすぎても恐い後半のネタ。
思いっきり笑ってしまいました。
そういえば、以前海外旅行先でGショックならぬ、Cショックと題して腕時計を日本円にして300円程度で売っていたなぁ・・・と、懐かしい思い出に浸っちゃいました。

ぶんさん、コメントをありがとうございます。
Cショック、ですか。 ^_^

300円なら私も買ってしまうかも。でも、すぐ壊れそう。

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