イマドキの若手がよく口にするセリフとは?
新入社員研修は約20年、OJTのお手伝いを約15年くらいやっておりまして、若手の状況を定点観測しているような感じなのですが、ここ2年くらいでしょうか、あちこちで耳にする共通の言葉があります。
「イマドキの若手がよく口にするセリフ」
それは、
「迷惑を掛けたくないから」
です。
へぇーと思うのか、「そりゃそうでしょう」「ナットク!」なのかは人によって反応が異なるでしょうが、ちょっと聞いてください。
だいたい、以下のような文脈で登場する言葉のようです。
その➀
今も昔も若手は先輩に質問することをためらいます。聴きたいことはあるけれど、なかなか質問しに行けない、というのが古今東西、若手の悩みポイントです。
質問できない理由を尋ねると、以前は、「先輩が"近寄るな"オーラをバシバシ出しているから」「気難しい顔して集中しているので、声が掛けづらくて」という感じだったのですが、今は、
「先輩に声を掛けたりして、先輩に迷惑をかけてしまうんじゃないかと思うと、なかなか声かけられない」
という人が多いのです。
先輩側は、「質問すること自体はなんら迷惑じゃないんだけどな」と思っているにも関わらず、迷惑を嫌がり、質問しないと言う人が意外と多いんですね。
その②
子どもの頃から失敗経験が少ないのか、何かと挑戦することに臆病な人が増えたなーと思います。まあ、これだけネットが発達していると、一人の社員の失敗がおおごとになるのも見ているし、世界を駆け巡ったらどうしよう?と考えたら、びびるのも当然かもしれません。
一方、先輩たちは、「いろんなことやって、たまには失敗して、失敗からもたくさん学べるから、若いうちはやってみればいいんだよー」と朗らかに思っていたとしても、当の若手が及び腰だったりします。
自信がないから、なのかなと理由を聴けば、たいていの場合、
「失敗して、誰に迷惑をかけるかわからないから」
「上司や先輩に迷惑をかけたくないので」
とこれまた口々に言うのです。判を押したように。
・・・
「迷惑をかけてはいけない」というのは、家庭や学校で習ってくるのでしょうか?
後輩に「迷惑を掛けたくないから、失敗したくないし、失敗しないためには、成功しそうな仕事だけしたい」ってなことを言われたある先輩は、
「え、じゃ、それ、オレも思われているのかな。オレの失敗によって後輩に迷惑かけていることもあると思うけど、それも、ちっ!とか思われているのかな。職場って、持ちつ持たれつなのになぁー」
としょぼんとしていました。
組織で物事に当たっているのだから、多少のことは互いにカバーし合えばよいのだけれど、それを「迷惑かけたくない」と思うと、誰も何もできないですよねぇ。
「迷惑をかけたくないから」のさらなる真相とか、さらなる本音がどこにあるのかはわからないのですが、流行語大賞にしたいくらいに数多く耳にした「迷惑をかけたくないから」。
イマドキの若手の辞書にたくさん書いてあるようです。
ある先輩は、「もうこうなったら、私が失敗して、みんなにカバーしてもらうところをわざと見せたらいいのかな」などと言っていましたが、それ、うまくいくといいですね。(報告を待ちたい!)
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みんなひっどい失敗をしているけど、そこから学んで、すごいことを成し遂げたんだよぉ~という、大人も子どもも読める本です。
「失敗学」といえば、畑村洋太郎先生。