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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「働かないおじさん」問題も大変なのですが、「無駄に働き過ぎる人」も問題だと思うのです。

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「働かないおじさん」問題というのがあります。もちろん、「働ないおばさん」もいるのですが、中高年以上に限っていえば、男性のほうが組織で(生き)残っている人が多いので、つい、ネーミングとしては、「働かないおじさん」問題ということになるのでしょう。センセーショナルなネーミングで興味を引くという面もありますし。

「働かないおじさん」は、「給料が高いけど、働かない」のが問題なので、「給料が低くて、低いなりの働きしかしない」のであれば、さほど問題にはならないと思います。

こういう場合、「給料に見合った仕事をしなはれ」というか、「働かないのなら、給料を下げるぞ」というか、そのどちらかなのだと思いますけれど、言うはやすし、実行するのは難し、なのだろうと推測します。

人は、一般に「給料が上がること」に対しては文句を言いませんが、「給料が下がること」に対しては、たとえば、自分が見合った仕事をしていなくても文句は言うもので、「働かないから」といって給料を下げると、「もっと働かなくなる」可能性もあったりするので、問題は厄介なのですね。

・・・とまあ、「働かないおじさん」問題は、バブル時代の大量採用問題に絡み、どの企業でも「困った困った」なのですが、今日はその話ではありません。

「働き過ぎる人」問題です。

以前、こんな話を聴いたことがあります。 「どうしたらいいですか?田中さん」と相談というか、愚痴られたのですが、どうしたもんだろう?と一緒に悩んでしまいました。


毎日毎日、ものすごく長時間の残業をする人がいる。何をそんなに仕事しているのか?と聴けば、「あれの準備をしている」「これの資料を作っている」と言う。何の準備なのか、何の資料なのかを見てみれば、「しなくてもいい仕事」なのである。

「今、そんな資料まで作らなくていいよ。」

「いや、だって、○○さんに欲しい、と言わる可能性があるので、だったら今の内に作っておきたいんです」

「まあ、まず、その資料を求められることはないと思うけれど」

「でも、絶対ない、とは言い切れませんよね。だから、今のうちに備えておきたいんです」

「うーん、万が一にもそれは必要にならないと思うけれど、もし、必要になったら、その時、作ればいいんじゃないの?」

「それでは嫌なんです。可能性は全部つぶしておきたいんです」

・・・毎回、そんな会話をして、彼女は遅くまで残業する。


さらに聴けば、「早くお金を貯めたい。30代の内にマンションを買って、生活に余裕を持ちたい」という希望も口にし、「だから、残業代稼いでいるのではないか」とのことでした。(←これはあくまでも推測とのことだったけれど)


こういう、「しなくていいよ」といっても自分で仕事を作ってきてしまう人。
「あなたがやることじゃないでしょ」と制しても、「いや、私がやらないと」といって自分のところに仕事を引き寄せちゃう人。

どの組織にもいますよね、きっと。

「帰ってくれ!」「仕事するな!」という業務命令もしようと思えばできるのでしょうが、そこまで言うのもなんだし、ともおっしゃっていました。

「働かないおじさん」も困るけど、「しなていいことをたくさんして、ガンバっている」人というのもとても困る。

こういう人は、どうやってマネージメントすればよいのでしょうか。

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色々な本。 

『がんばると迷惑な人』、面白かったです。

     

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