【本の紹介】あべっかんさんの『イクメンから教育パパにキャリアアップする方法ー小学生のパパ編ー』
子どものころ、父に勉強を見てもらった覚えがない。
試験勉強について何か言われた記憶もないし、学習の仕方についてアドバイスをもらった覚えもない。
覚えていないだけで、父は、「教えたよ」と言うかも知れないが、とにかく記憶には、ない。
母はある意味「教育ママ」だったので、成績にはうるさかった。
ある時、「地学で2点(50点満点)」を取ったことがあった。中2の時だったと思う。
勉強もしていなかったが、教師もひどかった。中間試験なのに、自分で作った試験問題ではなく、
市販のドリルか何かのテストをコピーして配っただけのものだったのだ。
それで結果は2点。さすがにマズイと思い、親にはそのことをナイショにしていた。
ナイショにしたはずなのに、なぜかばれた。
どうも、親同士で話題になったようなのだ。
実はそのテスト、授業で扱いもしない箇所が出ていて、2点は私だけではなく、大勢いた。4点もいた。10点以下がいっぱいいた。
たしか、教師は、「10点以下」の生徒に手を挙げさせた。クラスの大半が挙手し、「おおおぉ」となった。
それなのに、教師は、私たちが悪いとばかりに、非難した。今だったらこういう教師は、相当糾弾されるだろうが、昭和50年代の中学生もその親も無力だった(笑
で、親同士で「すごい点数のテストだったらしい。あんな市販のドリルかなんかからコピーしたものを配って中間試験にするなんて、どーゆう了見なんだ。おたくの淳子ちゃんは何点だったの?」とかいう電話のやりとりがあったらしく、
「地学のテスト、見てないけど、見せなさい」
となり、
「2点」
を見せて、
「田中家始まって以来のひどい点数」
と大騒動になり、
その結果、私は所属していた「体操部」を休部させられた・・・・というほどの、「教育ママ」だったのである。
3か月くらい休部したんだろうか、クラブ活動。
クラブ活動を休んだからといって、勉強なんてするもんじゃないので、何の効果があったのか分からないが、私にもそんな時代も~♪あったの~♪である。
さて、父に話は戻す。
父は、仕事大好き、それ以外はあまり興味関心がない人だったので(過去形で書いていますが、今も生きてます)、私の成績だけじゃなく、勉強にも関心がなかったように思う。
自分の勉強は良くしていたが、私の勉強を見てくれることなどはホントになかった。
親というのは、子どもの勉強を見るものなんだろうか。
見るとしたら、いつまでなのだろうか。
子どもに何かを教えるってすごく難しいものだということは、甥っ子(6歳)と接している時、切に感じる。
そうそう、年末のことだ。
実家の窓ふきを任命され、甥っ子を誘って一緒にやることにした。
寝室の窓を拭く際、窓際に寄せてあるベッドの上に上ったほうが甥っ子には手が届きやすいため、「ベッドの上に立つ?でも枕は踏んではダメだよ」
と教えると、「なんで枕は踏んではいけないの?」と質問が返ってきた。
「頭を載せるものだから、踏んではいけないんだよ」
「なぜ、頭を載せるものを踏んではいけないの?」
「お行儀が悪いからだよ」
「お行儀って何?」
「お行儀ってなんだ?はて?」
「頭を載せるところを脚で踏むと汚いから、かな」
「汚くないよ、●●ちゃんの足は」
「むむ、まあ、枕は踏まないってことになっているんだよね」
「それは、このおうちだけの決まり?」
「え?はて、そうだったかな、にっぽんぜんこく、枕を踏んではいけないような」
・・・・こうやって、おばちゃん、ひとりで「はて?はて?」と思いつつ、結局、枕をどけて、踏むことがないように「環境を整える」という対応をしたのでした。
子どもというのは、何を疑問に思うか分からないし、
そのソボクな疑問は、考えたことがない内容も含まれるので、
教える大人のほうが、「はて?はて?」となってしまい、非常に刺激的なんである。
前置きは長くなったが(って、ここまでが前置きだったのか)、
あべっかんさんという四児の父が書かれた『イクメンから教育パパにキャリアアップする方法』を読んだ。電子書籍である。
面白い!
日常にあるいろんなものを使ってお子様がたに勉強を教える方法を具体的に解説している。
ああ、親じゃなくて、先生でもいいから、こーゆう風に教えてもらいたかったよ、と読みながら何度も思った。
そうそう、勉強ってのは、テストのためにあるんじゃなくて、日常生活を送っていくために必要な知識やスキルを身に着けるためのものなんだよね。
だから、教材もそこらへんにあるものを使ったほうが、納得しやすいよね、とうなずいく箇所ばかりであった。
例えば。
●方向感覚を身に着けるために、自宅と学校の間の地図を描いてみる・・
子どもは地図がまともに描けない。そこで、Google Mapで航空写真を見ながら線を引いてみる・・・なんてことから始める。
そうそう、これ、大人になっても苦手な人がいて、
「地図はこれ」と渡されたら、その地図ではたどり着けなかった、なんてことがままある。こういう訓練をしておくと、空間認識とか方向感覚の力が高まるんだなぁ。
●家具を見く建てることで、展開図や設計図に慣れていく・・
展開図って「IQのテスト」によく出てきたけど、謎の図形の展開図だったりして、ちっとも楽しくない。けれど、自分の勉強机を組み立てるといったことであれば楽しかった、、かも。
●読書感想文を教えるのに、「キーワード」をマインドマップで書いてみて、自分らしい文章にする
など、次々とちょっとしたTIPSが出てくる。
これが一番生活の役に立つ!と思ったのは、ピザの注文である。
問題:
ピザのクーポンがあります25%引きクーポン券と千円引きのクーポン券。どちらか片方しか使えません。どちらを使うと得するでしょう?」
これ、いい問題だなぁ。生活に密着している。
問題:
「両方とも使えるなら、どの順番で使う?」
さらにいい問題だ。
自分の小遣いとか自分の生活に関係あることを題材に学習すると、勉強の意味がわかるような気がする。
小学生の勉強を見るパパの話ではあるのだけれど、ピザのクーポンとか、6Pチーズの話とか、大人の私も真剣に考えてしまった。
とりあえず、今度ピザを注文するときは、ちゃんと計算しようと思った。
====================
あべっかんさんの『イクメンから教育パパにキャリアアップする方法』