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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

東大のMOOC(on gacco)「インタラクティブティーチング」WEEK3まで受講した! 「学習のモチベーション」「練習とフィードバック」

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2014年11月19日に開講した東大MOOC「インタラクティブティーチング」(on gacco)のWEEK3まで修了しました。

だんだん面白くなってきました。

正直言って、初回に「これからの授業は、"インタラクティブに"進めるもので、たとえば、"発問する"とか・・・」「教師は学生をよく見ていないといけないのですよね」・・・などと出てきた時は、「ええー? 大学教育ってまだこのレベル? マジ?」と企業の教育に携わる人間としては、30年遅いぞとPCの画面に突っ込んでしまったのでしたが、回を進めるごとに初めて聞く考え方や技法なども多々出てきて、刺激的になってきました。

WEEK3は、「学習者のモチベーション」と「練習とフィードバック」がテーマでした。

「学習のモチベーション」といえば、一つには、ID(インスクショナルデザイン)における「ARCS(アークス)」モデルが有名ですが、「インタラクティブティーチング」の授業では、「自己効力感」を紹介していました。(そういう言葉は使っていませんでしたが、バンドューラの「自己効力感」がベースになっていたと思います(違っていたらご指摘ください)。ほかにもいくつかのモチベーション理論が根底にあっての知識とスキルの紹介がありました)


練習とフィードバックについて、一つ反省したことがあります。

「フィードバックを得たら、すぐその内容をさらに試せる機会が必要」がありました。

企業の研修ですと、最後の最後にフィードバックして終わり、となってしまうケースが多く、ここ、さらに工夫しないといけないなと思いました。

たとえば、「プレゼンテーションスキル」の研修ですと、最終日に一人ずつ10分程度のプレゼン演習があって、ビデオ撮影して、全員でフィードバックして、それで終わり、となることが多く、本来なら、ここで受けたフィードバックに基づいて、再度プレゼンができるといいはずなのですよね。

時間の関係で、どうしても、最後に総まとめの演習&フィードバック・・・解散、となってしまうことが多々あります。うん、なんとかしよう。


それから、学びが強化されるために「協力的な環境」がとても大事だとも解説されていました。

「難しいこと、新しいことに挑戦し学ぶ時、孤独にやるよりも、誰かが助けてくれること、協力的なムードがあることが大事」といったことです。

これって、OJTなんかでも同じで、若手社員に「いいからやってごらん」と挑戦させる際、周囲の協力的なムードがあることが若手の背中を押してあげる要素になるという話にも通じますね。

というわけで、頼まれてもいないのに、東大MOOC「インタラクティブティーチング」をこうやって宣伝しまくっているのですが、宣伝しまくっていても、なかなか「じゃあ、私も勉強してみよう!」とはならないようで、これからもしつこくレポートしてまいります。人財開発に関わる方、一度ご覧になってみるといいと思います。ほんとにおススメです。

あ、あと、WEEK3には「プレイフルシンキング」の上田信行先生が中原さんとの対談に登場なさっています。「How can I do it?」の上田センセイです。

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【本たち】

・『プレイフルシンキング』は、ほんとにいい本です! もう1000人以上におすすめしました。
同じく『プレイフルラーニング』は、学生時代に教育学を専攻し、その後、ずっと教育の現場に身を置く私には、なんとも言えない懐かしく、新しい本です。この本の最後のほうに「内省は、一人で行うものだと思われがちだが、他者との対話のほうが内省は深まる。学びは、インプットと思われがちだが、アウトプットすることで学びがより醸成される」といった上田先生の言葉が出てきます。(セリフは正確ではありませんが、そんな感じのことをおっしゃってます)


   

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