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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

赤瀬川原平さん言うところの「老人力」がどんどん身についてくる。

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週明けにでも「老人力」をテーマにしたブログを書こうと思っていた。

というのも、昨晩、お風呂読書で、白洲正子さんの『おとこ友達との会話』を読み始めたからだ。5年以上前に購入したこの本、なぜか手を出さずに積読していたのだが、夕べ、お風呂に入ろうと思った時、「これでも読むか」と読み始めた。(そういえば、このお二人は、町田に縁が深い方でもあるなぁ)

本は多くの男性との対談集で、1回目の相手が赤瀬川原平さんであった。それで、「赤瀬川さん、といえば、老人力だ。今週は、老人力のブログを書こう」などと考えていたのだった。

「老人力」。この言葉を聴いたのは、15年ほど前のことか。

「記憶力が低下した」とか「耳が遠くなった」とか「目が見えづらい」とか「体力が落ちた」とかネガティブに表現しないで、「老人力」が”ついた”と前向きに言ったらいいじゃないの、という提言でもあった。

当時、私は30代半ばで、まだまだ若く、目は見えるし、体力は有り余っているし、シミシワタルミほうれい線に悩まされることもないし、記憶したものは忘れないし、人の名前はいつまでも覚えているし、だから、「老人力」という言葉については、周囲の50代以上の人に向けて、「あの方(たとえば上司)も”老人力”がついたんだよ」などと面白おかしく使っていたものだった。

そして、今、自分がその「老人力」を日々着実に身に着けていることを実感している。毎日、成長である。 どんどんすごい勢いで「老人力」が備わってくる。

目の前で話している方の名前が10秒後に脳内から消えることがある。また10秒後に戻ってきたりもするが・・・。 昨日会ったばかりの方に、今日も会い、なのに、「お久しぶりです」と元気にあいさつしてしまうこともある。すんごい「老人力」だ。

シミシワタルミ・・・ほうれい線。顔にも「老人力」が満載になってきた。

全身の皮膚が柔らかくなってきた。どこも「ぱっつんぱっつん」なところがない。見事な「老人力」である。

風邪が治るまで1週間以上を要する。 これもきっと「老人力」である。

経済産業省が「社会人基礎力」というのを提唱しているが、少子化だし、年金支給もどんどん遅れることもあって定年もさらに伸ばそうなんて動きもあるし、こうなったら、社会人基礎力に「老人力」も加えてもいいかもしれない。(ま、他の「基礎力」と比べて、「老人力」は、努力せずに身に付くというか、努力しないから早く身に付く点が他の基礎力と大きく違う点なのだが)

・・・・・

こんなことを言っていても、また10年経った時、「それでも、50代はまだまだ若かった」ときっと思う。

20年経った時、「50代は、元気いっぱいだったなぁ」と懐かしく思うだろう。

日々わが身に備わる「老人力」。 共存していくことにしよう。

赤瀬川さん、素敵な言葉を「発見」してくださって、ありがとうございました。合掌。

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