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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

研修のBeforeとAfterに絡めて:参加する側の「気持ち」が結果に大きく影響する

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人材育成の現場でよく挙げられる数字に「4:2:4のルール」というのがあります。

研修の効果を最大限に上げるために影響している要素は、
Beforeの4
研修そのものの2
Afterの4
の割合なんだ、というものです。

研修そのものの効果は、もちろん、それがきちんと設計され、訓練された講師が担当して、という前提ではあるものの、全体の中から見れば「2」なのですね。

では、BeforeとAfterは何か。

Beforeは、たとえば、レディネス(準備が整っている状態)にあるかどうか、です。

「プロジェクトマネージャになる予定なので、PM研修を受ける」というのはレディネスが整っているでしょうが、「プロジェクトマネージャになるのは、5年くらい先かなぁー」という状態で「PM研修」を受講しても、今一つ、自分に関係ある感じがしないものでしょう。

レディネスのほかにBeforeといえば、「上司などからの動機づけ」も重要です。

かれこれ29年ほど講師業をしておりますが、以前とても多かったのが、「上司に行って来いと言われたから参加した」「人事から案内が来たから参加した」という方です。何ら動機づけされてこないので、最初から受け身だったり、受け身ならまだしも、けんか腰だったり、否定的だったり、なんかとてつもなく怒っていたり・・。これでは、効果を上げるのはなかなか難しい。

最近は、どちらでも上司や先輩がある程度動機づけして送り出すようで、最初から怒っているという方にお目にかかることはほぼなくなりました。
簡単なことなんですよね、これ。

上司が、「明日から研修?いいなぁー、のんびりできてー」とか「研修でいないの?あ、じゃ、戻ってきたら、その分頑張って仕事してね。ためておくから」と言ってしまうのか、
「せっかく勉強に行くのなら、○○や××を学んで帰ってきてね」とか「来場していた人たちとコネクションを作ってくるんだよ」とか、研修に対するメッセージを伝えるかで大きく変わってきます。上司や先輩が後者のようなことを伝えるだけで、Beforeの4割の価値が上がるわけです。

Afterでは、「どんなことを学んできたの?」などと内省支援(ふりかえり支援)をしたり、「せっかく学んできたんだから、その知識・スキルを使って、○○をやってみてよ」と仕事を割り当てたりするとよいと言われています。

そりゃそうですね。

勉強してきたのに、そこで学んだ内容を3年も使うチャンスがない、となれば、全部忘れてしまうことでしょう。

BeforeとAfterで8割、大きな数字です。

さて、つい最近の出来事です。

当社の公開講座に参加してくださったあるマネージャがこんな話をしてくださいました。

「今日のこの話、そういえば、以前、自社内のセミナーでも聞いたことがあるんだけど、その時はたぶん、1日だったか半日だったかで、でも、全然覚えていないんです。理解もしてなかったというか。なんせ人事から集まれーって言われて参加したから、”何のためにやるんだ?”とか理解してなかったし。で、今、同じ話を聴いて、たった15分ですんごく理解できたんですけど、それって、今日は、自分から申し込んで、課題意識があって参加しているからなんだな、と思いました。 つまり、自分が学ぼうと思っているかどうか、って学習効果に大きく影響するものだなと思ったのです」

ほぉー、興味深い発言です。

似たようなセミナーを以前、社内の企画でも受講されたのだけれど、その際は、「何のためにこれを受けるのかよくわからないまま参加した」から、ほとんど自分の中に残っていない気がするとおっしゃるわけです。

でも、今回は、「こういうことを勉強したい!」と自ら申し込んだ内容だから、吸収量が全く異なると。

これこそ、Beforeの4割の話だなと思いました。

研修に参加する前のレディネスが整っているか、学ぶ動機があるかが大事だとわかる話です。

研修を企画する部署から案内が出たり、その案内を上司が部下に転送したりしながら、研修参加が決まるケースも多いと思いますが、この時、職場でどう動機づけするか、どうレディネスを高めるかは、現場の課題です。

それなりの費用をかけて研修を計画するのですから(社内講師で研修を完全内製化したとしても同じことです)、投資対効果を高めるよう、BeforeとAfterは、人材開発部門の現場の上司や先輩も、はたまた学ぶ本人も意識しておくことをオススメします。


【今朝は久々に5時起き。早朝ウォーキング8.0㎞!】

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