現代のマネージャというのは「感情労働」なのだ。
先日、日経ビジネスオンラインの河合薫さんコラムを見て、「お!そうだ!そうだったのだ!」と膝を打ってしまった。
日経ビジネスオンライン
河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学
「部下はお客サマ?」 感情を切り売りする上司の憂苦
上司に求められる部下への“本物の感情”
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20140628/267707/
これを読んで、はっとした。
今や、上司は「感情労働」なのだ。
そう思ったら、イマドキの管理職の苦悩が理解できてくるし、
「マネージャになりたくねぇー」症候群の気持ちもわかるというものだ。
先日、「昭和上司」についてこのブログで書いた。Facebookでも話題にしてみたところ、友人・知人から意外に多くの反応があった。
「昭和上司、います!います!」
「昭和上司は、よく”死守”とか言います」
「昭和上司は、●●が口癖です」
出てくるわ、出てくるわ。
昭和上司に悩まされている部下たちの悲鳴と嘆息。
そういう昭和上司は、もはや化石で、平成になってからマネージャになった人、平成世代を見ているマネージャというのは、もう、そんな「昭和テイスト満載な上司」なんかやってられない。できない、無理。
あちらに気を遣い、こちらに配慮し、言い方を工夫し、表情に気を付け、ひとつひとつの言動を多方面から「これで大丈夫か?」と自問自答し、部下と接するというだけで多大なエネルギーを消耗する。
「感情労働」料が管理職手当に含まれているのだ、と言われたら、「うん、それ、割に合わないね。もっと頂戴」と思うに違いない。
昭和上司がいいとは言わない。昭和に戻りたいとも思わない。
一方で、平成上司のこの気の遣いようといったら・・。
つらいなぁ、つらい。上司はツラいのだ。
その辛さは、研究者も話題にしている。東京大学の中原淳さんは、近著『駆け出しマネージャーの成長論』の中で、「マネージャになる」ってことは、5つの課題があるんだ、と説いている。
●突然化:ある日突然マネージャになる
●煩雑化:こんなにたくさんやることあったっけ?昔の上司。
●多様化:部下が多様化していて、それぞれに対応しなければならない
●若年化:段階を経てマネージャになるんじゃなくて、修行期間なく上位職に
など。
上司の背中を見て、上司のあるべき姿を学ぶというチャンスもないまま、30代でいきなり上司になったり、4-50代の部下を抱えたり、あるいは、様々な雇用形態や価値観のある人を見なければならなくなったり、そして、プレイヤーとして業務もたくさん抱えていて、ああ、いったいどーすりゃいいのー、ということをいろんな角度から解説している。
イマドキの上司、つらいなぁ。
それでも、きっとやりがいもあるんだろう。
そうでなきゃ、やってらんない。
そのやりがいをもっと語っていけば、若手も「マネージャなんかなりたくない」症候群から脱却できるのかも・・しれない。
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以前、「説教バー」と開こうかなと思ったことがあるのだが、「共感バー」に商売替えをしようかしら、と思うこのごろ。老後の楽しみ。