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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

混雑した車内で「かたくな」な人の心情をおもんぱかってみる。

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月に2回くらい、ラッシュアワーの地下鉄内で、「かたくなな人」に出会う。同じ人ではない、「人種」としての「かたくなな人」。漢字で書けば、「頑なな人」である。漢字のほうが分かりやすいか。

混雑している車内でうまくサバイバルするために必要な三大要素と言えば、

●諦念
●無私
●脱力

である。

五大要素となると、上記に加え、

●達観
●協調

とも言われている。(どこで?

「かたくなな人」は、上記の五大要素を全く持ち合わせていないと思われるタイプだ。

揺れて、押されて、「かたくなな人」に身体が触れてしまう、押し付けられてしまう。その刹那、「ぐいっと」私を押し戻す。肘を張られることもある。肘鉄食らわされることもある。揺れているんだから、仕方ないよねぇーと思うのは、上記五大要素を持っている私の考えであって、「諦念」も「無私」も「脱力」もしていない「かたくな人」は、全身のチカラを込めて、全力で私を押し戻す。 そんなにしなくたって、次の揺れで、元に戻りますがな。

「かたくなな人」の背中に自分が押し付けられてしまった時は、背中全体が鋼鉄のように固くなり、やはり、私を拒絶する。

そこまで力まなくてもいいと思うのだが、たぶん、達観もしていないから、いちいち、反応してしまうのだろう。

むむ。

自分の領域に他人が入り込むのは、パーソナルスペースの考えから言っても誰もが好きじゃないわけだが、こと、満員電車に関しては、一般にいうパーソナルスペースの考え方は当てはまらない。互いに相手を無機質な存在を思うことで、このパーソナルスペース問題を超越してしまうからだろう。

その証拠に、知り合い同士で満員電車に乗っていると、それが恋人や家族という関係でない限り、10㎝でもいいから互いの距離をとろうとしてしまう。これは、相手を無機質な存在と思えないからだ。

ま、それはそれとして、「かたくなな人」「頑なな人」。

他者を押し戻したり、肘を張って拒絶したりする際、時々、「ちっ」と舌打ちまでされることがある。

これは、以前もブログに書いたのだが、慣れていないとできない。

私は舌打ちをする習慣がないので、やろうとしても、すごく難しい。

だから、きっと、「ちっ」という人は、日ごろから鍛錬しているのだと思う。磨けば上達するスキル。

「頑なな人」で「舌打ち上手」って、私の経験から言えば、女性だ。男性は、「達観」「脱力」「諦念」「協調」「無私」を比較的実践している気がする。

女性のほうが、「自分の領域」にこだわりがあるのだろうか。
「誰も私に触れてはならぬ」・・・

トゥーランドットか。いや、それは、「寝てはならぬ」か。


・・・・・

なんでこんなことを書いたかというと、今朝も会ったからなのだ。

かたくなな人。

「なんでだろうなぁ。どういう心情なのかなぁ」と考えているうちに満員の副都心線は新宿三丁目に無事到着したのだった。


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