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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

キャリアの「節目」と「節目のデザイン」と「キャリアドリフト」

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昨日、ある企業で、「原点回帰と自分軸」といったテーマで勉強会を担当しました。簡単に言うと、キャリアを考える内容です。

20代から40代まで幅広い参加者(手挙げ式なのでみなさま非常にモチベーション高くご参加)が集まり、一人で内省したり、グループで共有したり、相談したり、アドバイスしたり、といった濃い3時間を過ごしました。(ご参加くださった皆様、ありがとうございました!)

こういうセミナーを進行すると、私自身も参加者と同様に内省が進むので、「ああ、あの時はこうだったな」「自分の場合はああだったな」と来し方行く末を深く考えることとなります。

さて、昨日、紹介したことの中に「節目」と「節目のデザイン」と「キャリアドリフト」という言葉があります。金井壽宏先生がよくおっしゃっている考え方なので、金井先生のキャリア関連本を読むと必ず出てきます。

簡単に言うと、

●人生において「節目」と思うことって何回かあるよね。一皮むけた経験と言ってもいいけれど、「あ、ここが節目だ(った)」と言える経験

●そういう「節目」の時は、しっかりと「デザイン」をした方がいいんだよね。真剣に考えて、徹底的に考えて。

●ただし、いつもずーっとキャリアのことを考え、デザインし続けているというのは大変だし、そこまでする必要はないから、節目と節目の間は「ドリフト(漂流)」していればいいんだよ。流れに身を任せるってことだね。

・・・・

という感じです。(すごいラフな表現ですが)

この考え方は、私にとてもしっくりくるので、セミナーとか研修などの中で引用したり、紹介したりすることがあります。

自分の「節目」を棚卸するって面白い作業です。

で、その時「節目だ」とわかるというよりは、後から「節目だったな」とわかることのほうが多いように思います。

「そういえば、あれが”節目”だった。あの後、流れが変わった」
「ああ、あれ”節目”体験だったのだなあ。あの経験がきっかけとなって、その後のキャリアがずいぶん変わったもの」

というような感じ。

誰にとっても「節目」はあるのだけれど、何が「節目」かと考えることは日々の生活の中ではないかも知れません。

こういう勉強会など、業務から離れた時、じっくりと自らを棚卸できる。

そして、他者と対話している内に新たな気づきを得られたり、他者からヒントをもらったり。

これまでの人生をふりかえり、「あれが節目だった」と思い出し、その上で「どういう風に考えて選択したんだったけ?」と言葉にしてみると、自分が大事にしている「価値観」とか「想い」もだんだんと明確になってくるように思います。

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