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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「時間になりましたので・・・」の続き。

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「時間になりましたので」といってセミナーなどを開始するか、それとも、「遅れている方もおいでなので、しばらくお待ちください」といって5分ほど待つか、について以前書きました。> コチラ

いろいろなご意見をコメントで頂戴しました。基本的には、「始めたほうがよい」という論調が多かったように思います。

それで思い出したことがあるので、いくつかの例を紹介します。

ある企業に研修でお邪魔したところ、最寄駅を通る路線での列車遅延が発生していたため、複数人が遅刻しました。手に手に「遅延証明」を持ってこられたのですが、研修担当部署の方がきっぱりと「遅刻は遅刻ですので、今回受けても受講履歴には残りません」とおっしゃっいました。

これにはさすがに私もびっくりしました。

それであとで伺ってみると、
「研修も仕事の内です。いろいろな業務を調整し、きちんと受講することで次の仕事につなげるという、重要な位置づけでとらえています。経営からのメッセージでもあります。だから、最初から最後まで参加しない(できない)場合、遅れての参加は認めますが、”履歴”には残さない、それが、何かの要件になっていたら、再度受講しなければならない、そういうルールにしています。だから、上司もそのことを理解した上で、部下を研修に出す必要があります」
とのこと。

すごい!と感心しました。

また、別の企業での体験。

「マネージャー研修」の場面で、全マネージャが集合(15-6人でしたでしょうか)。

たいていは、アナログな筆記用具(ノートとペンなど)持参でしたが、PCを机に置いている方もおひとりいらっしゃいました。

そこへ、社長が来場され、冒頭での動機づけのメッセージを。

「皆さんには、こんな課題をクリアしてもらいたくて、この研修を企画した。十二分に消化し、明日からの実務に生かしてください。会社もそれだけの投資をしています。」

続けて、

「〇〇さん、PCはオフィスにおいてきなさい」

と厳命。

「ノートをとろうと思っただけなのですが」と答えた方に、社長は、「メール見たりしちゃうからダメ。研修に集中できるようにPCはしまいなさい」とおっしゃったのです。

これは「時間になりましたら始めます」の例ではありませんけれど、「研修は仕事。集中しなさい」とはっきり伝えた社長の想いはひしひしと感じました。

一方で、「あと10分待ちましょう」と開始がずるずる遅れる場合もあります。研修の最中の出入り自由になっていて、全員が全員そろって着席していた時間はほとんどない、というケースもあります。

「研修は仕事か」

は、永遠のテーマですが(「研修は福利厚生」という考えもあります。投資対効果が明確に測れないからという理由で)、

それでも、その時間をどうとらえるか、どう使うか、で、学びの姿勢も違ってくるのかなと思ったりします。

面白いですね。

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先日、こそっと船(にっぽん丸)で家族旅行を。

横浜を出港して20分ほどでこの景色。うんと驚いたので、写真を。

こんなに大きく富士山が見えるとは!

【ベイブリッジをくぐる前】

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