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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

相手の話をちゃんと聴くのは難しい

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「人の話を聴く」というのは、誰でもできる行為のようでいて、実は難しい。

聴いているようでいて、聴いていない。
ちゃんと聴いちゃあいない。

自分が聴きたいように聴く。
相手が話したいことを聴くのではなく、自分が聴きたいことを聴いてしまう。

相手が話している時に、自分の中で答えを考え始める。そして、アドバイスする。結論づける。

こういうことは、誰もが案外やっているんじゃないかと思う。

ちょっと前にやっていただいたロールプレイでこんな場面があった。
(先輩と後輩に分かれ、後輩役のリアルな話をしていただいた)

後輩役:「近々、ゴルフを始めようと思っているんですよ」
先輩役:「へぇー、なんでまた?」
後輩役:「部署の人もゴルフする人が多いから」
先輩役:「で、どこでやるの?」
後輩役:「打ちっぱなしに行ったらいいかなー、コースに出るってのはまだまだ先だろうし」
先輩役:「だね」
後輩役:「うちの部署っておじさん(注:発言のママ)が多くて、みんなゴルフするんだけど、会話についていくには私もゴルフするほうがいいかなとか思っているんですよね」
先輩役:「じゃあさ、スポーツクラブなんかどうなの?うちの近所の●●というスポーツクラブだと打ちっぱなしのコースもあるよ、行ってみなよ」
後輩役:「あ、あ、そうですね・・・」
先輩役:「1か月●円でできるよ、紹介しようか?」
後輩役:「あ、そ、そうですか、いいですかね」
先輩役:「おすすめだよ」

・・・・・・

この会話のポイントは、「会話についていくには」のところなんだけれども、ここを聞き逃し、「どうやったらゴルフの練習ができるか」という方向に進んでしまっている。

そして、スポーツクラブの紹介をしてしまう。

つまり、聴き手は、自分が聴きたいように聴き、相手の代わりに「答えを考え」「アドバイスをする」というアプローチをとってしまっているのだ。

もし、このとき、

「会話についていく、って何か苦労でもあるの?」

などと問いかければ、

「実は、私だけ、一人年齢が離れていて、チーム内でコミュニケーションの輪に入れないんですよね」

とか

「人間関係をよりよくするために、大勢がしている趣味にこちらも合わせたほうがいいのかな、と思って。なんだかギクシャクしているから」

とか、

もっと根底にある課題が見えてくる可能性があるのだ。

「聴く」というのは、実はとても難しい。

どうしても、相手の話したいことを聴くより、聴きたいように聴いてしまう。

相手の発言に耳をそばだててみれば、ヒントはたくさん見え隠れするのに。

・・・

「虚心坦懐」に聴くこと。

わかっちゃいるけど、なかなかできない。

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