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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

上司は、本当に「自分で考えて自分で動く」部下を望んでいるのだろうか?

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「自分で考えて、自分で動く部下になってほしい」と誰もが口にしますけれども、ほんとうにそれ望んでいるんでしょうか?と思う出来事がありました。

あるワークショップをしているときに、「勤め先の会議で問題だと感じている点は?」と挙げていただくと、多くの方が、「発言できない」「上司が一方的に話している」「部下の意見を言う場面がない」「こうなっているから、と伝えるだけの会議になっている」「意見を挟む余地がない」といった例を挙げました。

それを「会議」というかどうか、は置いといて。

上司が自分の考えを表明し、部下たちに「こういうふうにするから理解して動くように」と伝えるだけの機会として、その会議は設定されているのだと思いますが、この時、意見や反論などできないことも多い、というわけです。

でも、その上司に尋ねたら、きっと、
「いやあ、部下には、自分で考えて、自分で動く、主体性を発揮してもらいたいものですなぁ」というような気がします。

「自分で考えて、自分で動く人になってほしい」というのは、実は、
「(上司である私が考えてほしいようにあなたも)自分で考えて、(上司である私が動いてほしいように)自分で動く人になってほしい」ということ、なのかもしれませぬ。

実際にこんな例もありますよね。

自分で考えて動いてみたら、
「余計なことしなくていい」
と叱られた・・・など。

部下たちは決して考えていないわけではなく、上司が期待するようなことを考えないだけだし、上司が期待することじゃないことを考えても、上記のように意見表明をする機会がなかったりする、ということもあるんじゃないかしら。

そういえば、もう20年くらい前の若かりし頃、血気盛んだったので、上司に対しても不満がいっぱいあった時代がありました。(血気盛んだとそういうことはよくあります)

「うちの上司は、もうなんにも考えていないんだからっっ!」(血気盛んな人は、語尾に「っ」が入ります)

こう憤慨して述べると、友人(尊敬する先輩)が、

「あのさ、何も考えていない人なんていないよ。考えているよ。淳子さんが考えてほしいことを考えていないだけっしょ」

と諭されました。

ふむ、そうか。

上司だけじゃなくて、部下も同じことを言っているわけだなぁ・・・。

誰もが相手に「自分が考えていることと同じようなことを考えてもらいたい」と思っているだけ、なのかもしれません。

・・・と何が言いたいのかよくわからないエントリーになりましたが、とりあえず、今日はこんな感じで。

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