怒りのコントロール。
OJT担当者とかその上司向けのセミナーやら研修やらが最近目白押しで、そうすると、「部下・後輩指導」において、自分が困っていることというのも多数挙がります。
「感情的にならないようにする」
というのもみなさんが悩むポイントの一つのようです。
なるほど。
忙しいときに後輩が「この間も教えたでしょー」と思うようなことをまた聴きにきたりするとついいらっとしてしまう。その「いらっ」が、言葉になって出てしまう。たとえば、きつい言い方をするとか。
それはいかんなぁ、と思うけれど、感情を抑えるのが難しいなんていうことらしいです。
わかりますなぁー、わかる。
忙しいときに限って、めんどくさいことを言ってくる。
自分も山ほどやることがあるのに、後輩の面倒も見なければならない。
雛が巣の中からぴーぴー泣いているように、親鳥(OJT担当や上司)のサポートを求める。
あああ、あとにしてー。
私にも仕事させてー。
Leave me alone!
・・・・
さて、この感情のコントロール。
「感情をコントロールしよう」「感情は上手にコントロールするべきだ」という考えもあるでしょうし、(いや、感情的にならない方向で、精神を鍛練するという道もありますね)
「コントロールできない感情があるなら、その時間は、部下・後輩と接するのを避ける」という対応もあるかも、です。
後者について述べます。
上司やOJT担当者は、いつでも部下・後輩のために開かれた状態でなければならない、というのは、理想論すぎる気がします。
忙しい、あわてている、こころに余裕がない。そういうことは誰にでもある。
その状態で、ややこしい話を持ってこられたら、その相手が何も悪くなくても、冷たくあたる、厳しく言ってしまうのは、仕方ないかも。
だったら、だったら、だったら、対応しない。
「ごめん、1時間くらい待ってくれる」
「ごめん、後でもよい?」
そうやって時間を空けて対応することもできる、のかもしれません。
まあ、恒常的に忙しいと、「ごめん、それ、来年にしてくれる?」というほど待たせないと落ち着いて対処できないケースもあるでしょうけれど。
そういう場合に備えて、「みんなで育てる」ムードを作っておくことも必要なのですね。
OJT担当はテンパっているので、新人のために落ち着いて時間をとれない。
A先輩、B先輩は今少しだけ余裕がある。
だったら、Aさん、Bさんにしばらく新人の対応はお願いしちゃおう。
以前から言い続けてますが、
企業における若手育成は、子育てに例えるならば、「核家族の子育て」にせず、「地域で子育て」「社会で子育て」という風に周囲の大勢を巻き込むことが成功の秘訣です。
自分の感情のコントロールが難しい場合、誰かに代わってもらう、という道もあっていいはずです。
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前者「怒り自体のコントロール」について。
以前、ここで書いたことがあるのですが、平木典子さんが、
「怒りの感情は、”自分が対処できない”、自分には対処する能力がない、と言っているようなもの。」
といったことを述べられていて、それを読んで以来、
「怒り=能力不足」を世間にアピールしているのと同じなのか、と思うようになりました。
だから、自分が「怒り」を感じそうになったら、「私は能力不足を世間にアピールしそうになっているぞ」と自分に言い聞かせるようにしています。
そうやってほかのことを考えている間に、湧き上がりつつある怒り感情の芽は、すーっと消えてしまうものです。
無駄なエネルギーですしね。命をそういうことに費やすのはもったいない。