「新人時代の失敗談」を覚えていますか?
GW明けからいよいよ本格的に企業のOJT担当者向け研修やワークショップが花盛り、全国飛び回る季節となりました。(と言いつつ、東京、大阪、名古屋の三都物語なんですけれども)
OJTは、新入社員時代の1年間だけ指導担当者がつくことも多いのですが、最近は、OJT期間も延びていて、3年間くらいになっている企業も増えました。
指導担当に当たる方は、2年目からベテランの40代と、幅広い(←企業によります)のですが、年齢が高くなるほど、ベテランになるほど、当然、自分の若手時代のことは遠い昔のことになります。
遠い昔のことなのは仕方ないのですが、今の自分(ベテランの自分)と若手の彼・彼女を同じ目線で比較して、「当たり前のこともできない」などとイライラしてしまうケースもないわけではありません。それ、若手には、ちょっと気の毒なわけです。
だから、OJT担当者向けの研修では、「自分が新人時代のエピソード」(特に失敗談など)を自己紹介に絡めてお話していただくことにしています。
「えぇ―――!? もうそんな前のこと、忘れちゃったー」
「ああ、失敗とか自分にとってネガティブなことは封印しているので今更言いたくないです(笑)」
「たくさんありすぎて、何を話せばよいのやら」
など反応は様々ですが、しばらく待っていると何かお話してくださいます。
この話が実に面白いのですよ。
「購買申請書を書くよう指示されて、上司に承認印をもらいに行ったら、”君は、自分を発注するのか?”と言われ、よく見たら、購入物品の欄に自分の名前を書いていて・・・(恥)」
「新人時代のことではなくて、採用試験でのことなんですけど、2次試験の社長面接の時、前日に久々の上京で友達と遊びまくり、寝坊したんです。人事の方から自宅に電話があって、”あ!今から行ってもいいですか?”と尋ねると、”とにかくいらっしゃい”と許可してくださって、あわてて出かけ、たぶん、3時間くらいずらして面接受けました。冒頭で”大変申し訳ありませんでした”と深々と頭を下げたら、社長が、”君は失敗した、けれど、そのことをそうやって潔く謝った。だれにでもミスはある。謝れない人もいるけど、謝った。だからもう許す。今からいつも通りの面接を始めるから”と言ってくださいました。私は、その時、もし合格したら、一生この会社で働き続けようと決心したんです」
「新人の時、電話取れ、取れって言われるじゃないですか。だから、取るんだけれど、人の名前もその他あらゆる名詞、動詞が何をさしているのかちっともわからなくて。で、ある時、社外からのTELでお名前が聞き取れないから、6回も聞き返したら、相手の方も笑い出してしまい、隣にいる先輩にも笑われた、という思い出があります」
・・・・ほかにもあるわあるわ、出るわ出るわ。
ここに書いたものなど序の口で、もっとすごい失敗、公開できないようなエピソードをお持ちの方もいらっしゃいます。
こういう話を自己紹介時にしていただくと、「新入社員のOJT担当者」として、少し目線が下がるようなのです。
「自分もやっちゃった!というエピソードたくさん持っていたな。それを許してもらったり、笑って済ませてもらったりしてきたんだな」と意識できることには意味があるような気がします。
ところで、私の新人時代のエピソードには、枚挙にいとまがないのですが、配属されて最初の失敗は、”FAX事件”です。
自宅にもまだFAXなどない時代。会社に入って、初めてFAXというものを見ました。操作も当然、初。
「この書類、取引先にFAXしてくれる?」と先輩に依頼された私は、「どうすれば?」「FAX番号を押して、スタートボタンを押せばいいから」などと説明を受け、FAX機の前へ。
ボタンを押すものの、書類がするっと戻ってくるので、再度ボタンを押し、また書類がするっと戻ってくるので、再度ボタンを押し。 ああ、5回やってもNGだから、そろそろ相談してみよう、と先輩の席へ。
「あのぉ、5回送ってみたのですが、毎回戻ってきてしまいまして・・・」
「ん? 何が戻ってくるって?」
「これです」
「あのさ、田中さんさぁぁぁ、これが先方の送られると思っていたわけ?」
「・・・」
「よく考えてご覧。どうやってこの紙が相手に直接届くわけ?(笑」
「・・・あ! ですよねぇ・・・・」
「ですよねぇ、じゅなくて」
「・・ってことは、私は何をしたんでしょう?」
「先方に同じFAXを5回送信したってことでしょ」
「・・・はぁ・・・。その場合はどのような対処を・・・」
「お詫びの電話掛けといて!」
「はい・・」
・・・・・
紙が電線を通じて相手に送られるような気がしちゃったのですよねぇ。伝書鳩じゃあるまいし。
想い出の失敗エピソードです。
ブロガーの皆様は、経営者や経営に近いところにいらっしゃるベテランの方が比較的多いようですが、どんな「失敗談」があるか、実は聞いてみたい。
「実は、やっちゃったことがある」を今度インタビューしてみることにします(笑