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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

最後に「他に何か気になることはありますか?」という一言を添えてみる

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お客様先に伺って人材育成などに関するヒアリングをすることがあります。お電話での問い合わせに応じることもあります。そういう時、用件(メインのトピック)が終了してもすぐ話を打ち切らず、可能な限り(忘れない限り)、「他に何かありますか?」「他に気にあることなありますか?」と問いかけるようにしています。

そうすると、「いえ、もう今日は全部すっきりしたので、大丈夫です」ということもあれば、「あ、そういえば、もう一点、ついでにお聞きしたいことがあったのですが」と言われることもあります。

「他に何か?」と言われた瞬間にまた人は思考をぐるぐると巡らせ、あればそれを、なければ「ない」ということが明確になり、すっきりするのではないかと思うのです。

こういうやり方を始めたのには、ある通信販売会社の問い合わせ先TELに電話したときの応対がヒントになっています。

もう10年くらい前のことですが、ある通信販売会社(あ、良い例なので、社名出します。千趣会です)から送られてきた紙のカタログで見かけた商品をネットで確認したら商品名が見つからなかったことがあります。念のためフリーダイヤルにかけてみて、オペレーターの方に尋ねたら、色々調べてくださって、とにかく、手に入ることが分かり、その場で申し込みも受け付けてもらえたので、オーダー。電話を切ろうとすると、「田中さま、他に何かございますでしょうか?」とおっしゃったのですね。

電話かけた私は、ある一つの商品のことしか頭になかったのですが、「他に何か?」と言われたら、「そういえば、もう一つ検討していたものがあったな」などと思い出し、その件も解決し、すっきりして電話を切ったことがあります。

『こういう応対、ステキだなあ。最初の用件が済んだとしても、”他に何か?”と言われたら、安心するものだなあ』としみじみ思ったので、私もできるだけそれを真似するようにしています。(気を付けていても、つい忘れてしまうこともあるのですが)

さて、2012年1月11日(水)毎日新聞朝刊の【診察室のワルツ】というコラム(16)に、同じような話が書いてありました。

このコラムは、医療機関でどういうコミュニケーションを図ると患者との関係がよくなるか、とか、患者がどういう風に医療従事者と関わるとよいか、といった医療現場がよりよいものになることをテーマに書かれている連載です。

この日のタイトルは『退室前の魔法の言葉』。

病室で誰もが退出前に「他に私が今できることはありますか?」と入院患者に声をかけることがとても大事、とあります。

患者は、小さなことで悩み、でも、そんなことでナースコールしては、と躊躇するが、我慢しているとストレスがたまり、感情的なトラブルに発展しやすいこともある。

また、人に頼まず、自分で無理して動いた結果、事故に発展することすらある。

そんな時、事務員でも医師でも看護師でもたった一言「他に私が今できることはありますか?」と問いかければ、「メガネを取ってほしい」「布団の裾がめくれているのでかけてほしい」と言える。

それだけでストレスがとても減るというわけです。

実際に米国のある病院では、職員全員が「他にできるることは?」という声掛けをするようになってから、患者の事故が減るだけでなく、ナースコールも減ったそうです。

医療従事者と患者と助け合い、相互に礼儀を忘れないで接していくということも大事だとここには書いてあります。それがよい医療につながるから、でしょう。

営業の場面、コンサルの場面、電話による問い合わせ、クレーム対応、社内のサービス部門でも、誰もが実践できることのような気がします。

最後に「他に何かできることはありますか?」「他に何かありますか?」という一言。

【毎日新聞の記事はWebにも掲載されていました】
診察室のワルツ(16) 岡本左和子さん 

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