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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

CS(3):たいていの仕事は「協力連鎖業」

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CSシリーズ3回目です。

「社内が顧客という意識」も、というコメントをいただきました。間接部門にいると、「直接お客様に接することはないし」と思うことがあるかも知れません。が、そんなことなくて、他部門の人や同じ部門でも自分と関わる人は、自分にとってお客さま、という意識は重要だと思うのですよね。間接部門じゃなくたって同じです。

それと、サービス提供側だけでなく、提供される側も感謝の気持ち、持っていたいな、と。

たとえば、オフィス内で蛍光灯が切れてしまった。「そんなの施設管理部門が替えるのは当たり前」というのではなくて、替えてくれてありがとう、と思うキモチ。気持ちだけでなく、言葉で表現することも。

互いに感謝し合っていたら、社内がギスギスすることも減るはず。

さて、そういう「社内の顧客」という観点以外に、この間の研修で、「ああ、そうだ、そうだ、そうだった」としみじみ心に沁みたのが、

たいていの仕事は”協力連鎖業”

という言葉。

社内外の「協力」が「連鎖」してこそ、仕事が進み、完遂できる。

今回の講師は、もともとは旅行会社にいらした方なので、こんな話をなさっていました。

自分がアレンジしたり、添乗したりしたツアーに対して、お客様が後日お礼を言って下さることがある。カウンターで言われたり、礼状を受け取ったり、という形で。

そこには、「今回の旅行、本当によかったわ。○○さんのおかげよ」とあったとする。

この時、「○○さん」がしたことは、希望通り、または、希望以上のツアーをアレンジしたり、気分よく過ごせるよう最大限の配慮をしつつツアーを進めたり、そういう部分である。

それ以外は、全部他者から提供されるサービスなのだ。

旅行会社の人間が、バスを運転するわけではない。
旅行会社の人間が、旅館のお布団を敷くわけでもない。
旅行会社の人間が、美味しい料理を作るわけでもない。
旅行会社の人間が、大浴場を綺麗に整備しているわけでもない。

旅行で提供されるほとんどのサービスは、自分が生み出すものではなく、協力者の手によるもの。

その協力者ひとりひとりが精一杯仕事をしてくれるからこそ、自分の仕事が完遂する。

だから、「お客さんを連れてきてやったんだから、早く料理だせよ」なんて偉そうに言うなんて言語道断(←もののたとえです)で、協力してくれるあらゆる人に感謝の念を持って接していかねばならぬと。

・・・・・・

このくだりを聞いた後、同僚と話しました。

「私たちは研修をお客様に提供しているけれど、テキストの印刷は、○○会社さんがやってくれて、納期通りに、綺麗に納品してくれるからだよねぇ。お客様先にきちんと荷物を届けてくれているのは、××会社さんだしね。」などと。

社外だけでなく、社内のあらゆる部門の協力もあるからこそ、仕事ができている。

社内社外の協力者。それらの協力が「連鎖」している。
自分の仕事は、自分以外の無数の人の協力(陰ながらの協力も含め)があってこそ成り立つ。

そう思うと、ぞくっとしませんか?

社内外の多くの人々の有形無形の協力があるからこそ、仕事ができている、ということ。

当たり前じゃん、と言っちゃえばそれまでですが、私は、とてもぞくぞくっとしたのでした。

先週後半は関西に出張していました。「協力の連鎖」と言われた直後だったので、新幹線にもホテルにもとても感謝してしまいました。ふつうに走っていてくれてありがとう。ホテルの部屋がきちんと整ってて、嬉しい、と。

***追記(12/19)***

とても大事な部分に誤変換があったので、修正しました。

「旅行者の人間が」→「旅行会社の人間が」

です。全然意味が違ってしまいますね。お詫びして、訂正します。

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