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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

マナーの世界は難しい。

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「逆さ箸」はNGだ!という件については、このブログでもコメントをいただきましたし、Facebookでも反響がありました。

○「知らなかったー、気を付けよう」

という声もありましたが、

○「以前からマナー違反だと知っているので、自分はやらないようにしていると、その場にいる方から”お箸は逆さにするもんだよ”と”諭され”てしまうので、なんともはや・・・」

というコメントもいただきました。

そうなんですね。

マナーは難しいのです。

まず、あることに対する「マナー」には、いくつかの解釈がある場合もあり、「絶対にこれが正しい!」とは言い切れない部分もあります。(←ものによっては)

たとえば、お酌する際、ビンや徳利を両手で持て、という作法もあるし、それは専門家がする所作だから、片手でいいのだ、という話もあります。さらに言えば、お酌などすること自体がダメでしょう、手酌でいい、お酌を求めるのはよくないし、お酌して相手に勧めるのもよくない、という考えもあります。(私は、手酌推進派なので、宴席で自分が比較的立場が上になったら率先して、「手酌でいこー」と宣言してしまいます。若い人からは言いづらいからです)


もう一つ、マナーの難しさといえば、相手の方が勘違いしているのに、堂々とこちらが注意されたり、指導されたりすると、「えっと、おっしゃっていることのほうが間違っています」と言いづらい点。特に、指摘してきた相手が年長者だったり立場が上だったりすると。(先の「逆さ箸」を推奨する方、などがそうですね)

いや、対等な立場の友人であっても、「間違っているよ」と教えてあげられないケース、あります。

結婚に際して、「蝶結び」のご祝儀を友人3人から受け取り、驚いたことがあります。それがシングルアゲインになることを予兆していたかどうかは不明ですが(笑)。

そういう時に、「結び切り」を使うものですよ、とは言いづらい。だから、「ありがとう!」と表情は引きつったまま、言わざるを得ない。その人は、今でも間違っているかも知れない、注意してあげたほうがよかったかな、と20年以上経過しても、時々思い出します。

かようにマナーの世界は難しい。

難しいけれど、知らなくてよいことはなくて、知っているに越したことはない。社会でできるだけ気持ちよく過ごすための生きる知恵でもあるから、です。

たいていの作法やマナーには理屈があります。その理屈ごと学ぶと楽しいものです。

だから、私は、内定者にアドバイスを、と言われたら、かならず、「入社前にマナーの本を1冊読んでおきましょう」と答えます。後輩を育てるのに何か読むなら?と問われても「後輩指導の前に、ぜひマナー本を1冊は」と伝えます。

新入社員研修で、「マナー」を「そもそも昔」とか「○○の考えに基づいて」と理屈込みで伝えると、目を輝かせて聞いてくれます。(「へぇ」×10 + 「ガッテン!」×10 、、といった反応をします。「へぇ」は少し古いですが、… 相変わらず。)

理屈、根拠を知るというのは、学ぶ際の好奇心を強く刺激するから、なのでしょう。

ベテランの方も時々、その手の本を読んでみると楽しいものですよ。驚くことがきっと1つや2つは見つけられるはずです。

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