メールに反応すること+反応を取りに行くこと。
池田晶子さんの『14歳からの哲学』に、「自分のことを”私”と代名詞で呼ぶよね」ってな一節あり、「ん?一番大事なはずの、自分のことを、人は”代名詞”で呼ぶなあ。他者を”彼”というより”山本さん”と言ったほうが親しみも込められ、大事に扱っている感じが出るのに、自分は、常に代名詞だし、仮に”淳子がー”と自分で言ったら、単にあほに見えるわけで、なんで、自称は”代名詞”なんだろう????大切な自分が代名詞なのかなあ」と考えていたら、夜も眠れなくなりそうになっている田中淳子です。 (今日は、ことさら長い出だしだっ。)
さて、話は全然違うのですよ。
メールです。メール。
企業のOJT支援というのが、私が最も力を入れていることの一つで、主に、OJT担当者(トレーナーとかコーチとかいろいろな呼称があります)と関わることが多いのですね。
で、彼ら・彼女らは、新入社員を始めとする若手社員の育成に当たっていて、その進捗や成果を「報告書」として上司などに上げるわけです。
「報告書」は、たいていメールで送信されるようです。
そのことで、こんな話を聞きます。
「課長に”OJTの報告書”を毎月出しているんだけど、一度もフィードバックをもらったことがない。」
「そうそう、うちも上司と先輩に定期的にレポート出してるけど、フィードバック以前に、読んだ、という反応すらない。いつもスルー」
で、
「報告書出しているのに、反応ないって、やりがいかんじないよねぇ」
「関心を持ってくれているのかねぇ」
「ふぅ~(ため息)」
なんて展開になります。その気持ちはわかります。反応ないってむなしいですからね。
上司側と接する機会もあるので、この話をそのまましてみます。
「皆さん、OJTを担当している部下が”報告”を上げてきたら、反応してますか? 部下は不安に思っているみたいですよ」
「フィードバック以前に、読んだか読まないかもわからないみたいですけど」
すると、マネージャのみなさんが、
「あ!そうか!”報告書”だから、報告されたんだな、と思って、読んではいるけど、いちいち反応してなかった。でも、部下にしてみたら、”読んだか読まない”かもわからないし、反応が欲しいもんなんだなあー」
と驚かれるのです。
・・・・・
これ、例は、OJTの報告ですけれど、メールのやり取りにまつわる「問題」は、日常的に転がっていて、
〇部下は、上司にメールしたけど、上司からは反応ない
〇部下は、再度メールするけど、上司からはまた反応がない
〇部下は、今度は、CCにさらに上司を入れてメールするけど、まだ反応はない
〇部下は、CCを増やしてメールするけど、まだまだまだ反応がない
・・・という風にエスカレートしていくこともあります。(部下の「メール・ストーカー化」 笑)
でも、でも・・。
そこまで意地にならずに、「直接話しに行けばいいのに」と。
上司も上司で、読んだなら「読んだ」と返信1回しときゃいいのに。面倒なら、通りすがりに”口頭”で「読んだ。返事してないけど、読んだからー」「ちょっと待って、検討しているからー」などと声をかければいいのだけれど、それもしない。
上司と部下の溝って、案外、こういうちょっとしたことで生まれる。
どちらもどちらで、気になるなら、気になるほうが相手に尋ねればいい。
メールって簡便な分だけ、気楽に送ってしまうけれど、それだけじゃなくて、電話1本かけるとか、口頭でも会話するとか、そういう「アナログ」なコミュニケーションも併用するのがいいんじゃないかなあ。
いつも椅子に座ったままで、「メールをぴっ!」ばかりやっていると、そのうち、お尻に根っこが生えてきちゃいますよ。ふふふ。
それと、やはり、上司は、ちゃんと「反応」してあげたほうがよいと思う。どんな方法でもよいので。部下はそれで安心するもんです。