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事業開発ほどクリエイティブな行為は他に無いと思いこんでいる人間の日常

週休3日の光と影

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私の所属するイーキャッシュは、週休3日です。

外から見れば「いいなあ」とか「仕事してるのか!」など、いろいろな意見があるかと思いますが、その内情を少しご紹介させていただければと思います。

まず、制度の概要を紹介しますと・・・・。週休3日と言っても、完全に会社が休みになる日はありません(土日除く)。社員がそれぞれに調整し、週のどこかで休めるという制度です。そして、その休みは「創造休暇」という名称です。

名称からも想像してもらえると思いますが、「机の上で考え込んでいても仕方ないので、環境を変えるなり、リフレッシュするなりして創造的で良い仕事をしてください」という趣旨で導入しました。また、単に創造性を追及するだけでなく、ウイークデイに休むわけですから、社員間の情報共有や属人生の排除なども推進されるのではという狙いもありました。

対象社員は全員です。ちなみに役員は、この人事制度の範疇ではりません。

数か月の試験期間を経て、昨年今年の2月から正式導入し、約半年余りが過ぎましたが、この週休3日をきっかけに弊社にはいろいろなことが起こりました。

想定内、想定外、良いこと、悪いこといろいろです。

まず、想定外というか、以外だったことから、紹介しましょう。

まず、最初に驚いたのは、導入に際して、反対意見が出たことです。「そんな制度導入したら、働かない人ばかり集まってくるんじゃないですか?」といった内容としては建設的なものです。

そして、これは残念な結果ですが、離職率が向上したと思います。母集団が小さいので誤差の範囲かもしれませんが、少なくとも一時的には上昇した気がします。おそらく、正確には「合う人、合わない人」がはっきりしたのだと思います。「休んでも良いから結果は出せ」という文化は理には適ってますが、現実としては、なかなかどうして、辛いものです。結果が出ない場合、休むという行為はむしろ後ろめたく、精神面で参ってしまうのかもしれません。メンタル面をうまくケアする仕組みを作るか、事前にミスマッチを防ぐ対策をしっかりやらないと、結局、人に迷惑をかけることになることを痛感しました。

よく、お金は真のモチベーションにはならない。という話がありますが、休みもそうなのかもしれません。

続いて、予想内のことについてです。

私の予想通り、良い意味でも、悪い意味でも、週休3日になって、それが原因で売上が下がったということはまったくもってありませんでした。おそらく週休4日にしても結果は同じだと感じています。この理由は、ちょっと複雑です。要は、パレートの法則ではないですが、弊社においても、稼いでいる人間とそうでない人間がいます。つまり、全体の8割の売り上げを、2割の人間が稼いでいるという状況です(上場企業としては、どうかと思いますが、一般にもそんなものだと思います)。そして、稼ぐ2割の人間の仕事のスタイルは、労働集約型ではありません。つまり、少々多く休んだくらいで、どうってことのないビジネススタイルを構築しているのです。逆パレートの法則ができればと思うのですが・・・簡単ではありません。

現時点で週休3日から教わったことを総括すると、「人は、お金、お休みのために働くのではないのだ」ということでしょうか。

そろそろ、手直しもしながら、より本来の目的に沿った制度に変えていきたいと考えていますので、また、紹介させていただきます。

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